Short×short

20121217

If (青黄)



 『憧れるのはもう…やめる』

 それを告げたのは、忘れもしないインハイでの試合。

 追いかけ続けたアンタに精一杯の強がりからの言葉を吐いた。

 ─ホントは、あんな事言いたくなかったんだ。

 確かに越えたいと、勝ちたいと願っていはしたけれど。

 アンタの存在を俺の中から消すって事は、イコール今の俺がいなくなるって事。

 あの日出会って、憧れて。アンタだったからこそ。その褐色の広い背に手を伸ばし続けたと言うのに。


 嗚呼、嗚呼─。



 If I said the words of that day that it was a lie.
(もしもあの日の言葉を嘘だったと言ったならば)
 
 Was there still you in my lovers?
(アンタは、今でも俺の恋人でいてくれましたか?)
 
 
 
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