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酔いで力の入らないナルトの身体をそのまま床に押し倒した。
流石に驚いたんだろう。
唇は塞がれているから、きゅ、っと僕の服を握って意思表示をする。

「…っ、ん……あふ、…ヤ、マト隊長、っんう!」
「っ、……」

これが分からない程ナルトは子供じゃない。
もう、あの頃と違う。
元々お互いラフな格好でナルトに至っては額当てはおろか、いつも着ているベストすら身に着けてない。
そっ、と服の裾を捲り上げてナルトの背中を撫で上げれば、声が上がる。
そして手は止めずに、唇は首筋へと移る。
丹念に舐めればそれすら感じるのから、苦しそうに吐息を洩らしていた。

「…あ、ぁ……だめ、だってば!…あぁあ、っん…隊長!」
「ん、ナルト…」

好きなんだ、低い声で耳元で囁けばびくん、と身体が跳ねた。
ナルトの敏感な身体はカカシ先輩が仕込んだのだと思うと、悔しくて腹立たしくて仕方なかった。
憤りを感じて眉を寄せれば、ナルトのやめろ、と言う言葉がいささか口調が強くなったのを聞いて手を止めた。
覆いかぶさっていた身体を退ければ、普段のナルトからは想像もできない姿がそこにあった。
呼吸は乱れて肩で息をして、目は潤み頬は赤い。
解放されたナルトはまだ頭が混乱してるようで、ゆっくり身体を起こすと僕を見て全く訳のわからないと言った表情を浮かべていた。

「は、ぁ、ヤマト隊長…っ、酔ってんのかよっ……」
「僕は酔ってないよ。」

寧ろ酔ってるのはナルトだ。
抵抗もしないなんて、それとも何をするにも諦めたのか。
ナルトは身体を起こすと壁に寄りかかって、胸元を苦しげに握った。
微かにナルトの身体は震えて、それを見たと同時に僕はナルトへの罪悪感に駆られた。
けれど、カカシ先輩への申し訳なんてものは微塵もないのは当たり前だ。

何度も言ったはずだった。
ナルトを守れないなら、傷つけるなら僕が代わりになる。
代わりにナルトを支える、そう言って来た。
けれど、結局は何も変わらず、ずるずるとその延長線にあるだけだった。





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