俺の愛を受け取って下さい

3/14 仔カカ大ナル

あれからずっと考えていた。
あの日、あのナルト先生からのサスケやサクラとは違うちゃんと恋人としての愛の証であるチョコレートにどうお返しをしようか、と。あぁ俺ってこんなにもナルト先生に愛されてる!

「カカシ、今日はやけに機嫌がいいってばよ。」
「…ナルト先生、逃げた方がいいですよ。」
「サクラに同感だ。」
「ん?」

ホワイトデーって、何をお返しにあげるんだっけか。飴?あれ違ったかな。元々そう言うイベント事にはあまり関心がない俺だ。お返しって言っても…困った。

「カカシ?何考えてるってばよ?任務の説明、聞いてたか?」

そう言って俺の頭を撫でるナルト先生。可愛いく首を傾げるものだから、俺は生唾を飲んだ。

(あ…別に品物でなくてもいいんじゃないの?俺の愛とかさ。うん、そうだそれにしよう!)

「ナルト先生、今晩先生の家に行きますから。鍵開けといて下さいね。」

 * * *

夕方頃には草抜き任務は終わっていて、ナルト先生は上忍仲間に無理やり飲みに誘われてそのまま連行されていた。

(あの…野郎ども!!)

今夜はナルト先生とゆっくりするつもりだったのに!
溜息をついてソファーに腰を下ろした。
それからごろんと横になって部屋を見渡した。
ナルト先生の好きな観葉植物は俺が決死の告白をした時よりも増えていて、台所にある小さな食器棚には俺用のお茶碗とコップ、それからお箸。
ソファーの肘掛けに掛けられているタオルケットは、よく俺がソファーで寝てしまうからその為にナルト先生が買ってきたもの。
こうやってじっくり部屋を見渡すと、ナルト先生は何かと俺の為に生活に必要なものを買い揃えてくれている。俺が我儘言って先生の部屋に泊まりたいとせがんでも、いつでも部屋に泊まれるように。
一つ深呼吸をすれば、大好きなナルト先生のにおいがして、すごく安心した。

え、ところで何で俺がナルト先生の部屋にいるかって?
別に鍵を弄って入った訳じゃないから、ちゃんと郵便受けに鍵が入ってただけだから。
それも俺のチャクラに反応しないと開かないように封印術まで掛けて。
本当に可愛いんだよね、そんなナルト先生がさ。

でも今ナルト先生は飲みに行ってていない。
今日はホワイトデーなのに。だからと言って品を用意した訳じゃない。
別に物でなくてもいいんだ。今度は俺の愛をちゃんと受け取ってもらうんだ。

「…にしても、ナルト先生遅い。」

時計を見上げれば、もう十一時を回っていた。夕方から飲みに行って、こんな時間までいくらなんでも遅すぎる。
ナルト先生を待ちたい気持ちとは裏腹に、俺の眠気は限界を超えていた。
重たくなる瞼を必死に堪えていた。

「…くそ寝てたまるか…ナルト先生とナニするまで!」

突っ込みは聞かないよ。
あれから恋人としてのキスも許してくれない。だから一線とは行かなくても、それが俺の愛を行動に移したまでだから。

「………ふぁあ…眠、」

ソファーに横たわったままのせいで眠気が襲ってくる。

「…ナルト、」

俺は瞼を閉じた。
それから夢うつつの中、頭を撫でられた気がした。








「…ぅ、…はっ…嘘だろ!」

気が付けば朝日が射していた。
それだけじゃない、俺はいつの間にかベッドで寝ていた。
多分ナルト先生が運んでくれたんだろう。
俺が大声を上げたのは、それだけじゃない。俺の隣にはナルト先生が眠っていたから。
きれいな金糸が窓から射し込む朝日に照らされてきらきら光っている。健康的な肌は透き通るようにきれいだ。
ぎゅっと手を握った、すると反射運動なのか握り返された。

(かわ…可愛いっ…)

大声を上げたいのを必死に抑えて顔を真っ赤にした。
そっと手で髪を梳いた。
柔らかい金糸に俺の心臓は早まるばかりだ。

「ナルト、好き…」

そっと頬に口付けた。
俺の愛は今はこの形で十分、かな?

終わり

(おはようだってばよ、カカシ。)
(お、起きてたんですか!)
(当たり前だってばよ…上忍嘗めんな…)


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