Valentine's day

仔カカ大ナル

今日は今日は何の日か分かる?
そう、ナルト先生に愛の篭ったチョコを貰う日だ!
やった俺、ナルト先生に愛されてる!



「ナールト先生っ!」
「おわっ…カカシ?」

前を歩いていたナルト先生に、後ろからおもいっきり抱きついた。
先生はしっかりと俺を抱き留めてくれて、俺はベストをぎゅっと握り締めた。
先生、ナルト先生!
俺今日が楽しみで楽しみで昨日の晩眠れなかったんですよ。

「ナルト先生、今日何の日か知ってます?」
「今日?」
「そうです。」
「…んー…?」

あ、あれ嘘でしょ。
もしかして、ナルト先生今日がバレンタインだって知らない?
先生も男だから、男にチョコをあげるっていう発想はなかったのかもしれない。

(あぁあぁぁ、俺の馬鹿!)

俺は頭を抱えた。
毎年毎年ナルト先生にわんさかわんさか山のようにチョコを贈りつけて来る女どもの餌食には今年は絶対にしたくない!
だって、俺っていう恋人がいるんだよ。
俺だってナルト先生以外からは貰いたくなくて全部断ってる。
いや、正確には恋人になる前からナルト先生に恋してた俺だから、家に贈り付けられる以外は全部拒否していた。
まぁ、贈りつけられても火遁で処分してけどね。
酷いって?いいんだよ、ナルト先生の愛以外はいらないんだから。

「ははは…カカシは独り言大きいよな。」
「あ、聞こえてました?」

ナルト先生は俺の背中をぽんぽんと叩くと、「集合に遅れんなよ。」って言い残して瞬身で消えてしまった。
がしかし、どうしようか。
ナルト先生から貰えないということは、やっぱり俺からチョコと共に俺の愛を贈るべきか。

(どうしようかな…)

寧ろ俺を貰って下さい!とか。
なんか俺が受けみたいで腑に落ちない。
やっぱりナルト先生から貰いたい。

 * * *

「お疲れさん!」

そんなことを延々と繰り返し思っていたら、いつの間にか集合時間になって、いつの間にか草抜き任務は終わっていた。

「よし、お前ら手だせ!」
「手?」

差し出した手の上に、ぽんと置かれたのはハート型でリボンのついたシンプルな箱。

「今日はバレンタイン…だっけ?だから、頑張ったお前らにご褒美だってばよ!」

そう言ってナルト先生の笑顔。
あ、サスケが鼻血吹いた。

「じゃ、解散!」
「え、」

三人分のチョコを渡し終えて、はい終わり。
しかもそれは義理に近い。

(そんなバレンタインって…あるかぁぁ!)

俺は恋人としてのナルト先生が欲しいんです!
あ、言い方間違った。強ち間違いじゃないけど。
サスケは鼻血を拭きながら、サクラは浮かれて、それぞれ帰路とは別の方へ歩いて行った。
多分他の班の奴に自慢でもしに行ったんだろう。
二人が見えなくなって、俺も肩を落として帰ろうとした。

(やっぱり俺がナルト先生に…)

「カカシ、」
「え、はい?」

急にナルト先生に呼び止められた。
一体何なんだろう。
こっち来いとばかりに手招きしている。

「はい、これ。」

先生はしゃがんで俺と目線を合わせてくれて、何かを差し出した。え、これって…

「こっちはカカシだけに。サスケとサクラには内緒な?」
「…ナ、ナルト先生!!」
「ちょ、…うわ、」

俺は嬉しくて思いっきりナルト先生に抱きついた。



終わり

(…これって最早芸術作品なんじゃないの?)
ナルト先生に貰ったチョコはまさかの先生の手作りで、しかも俺の姿をしたチョコレート細工だった。



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