紙一重
なぁ、俺とお前はずっと寄り添って生きてきたはずだよな。
大人達からの理不尽な暴力にも視線にも、孤独にも。
俺たち二人だったから、耐えられた。そうだろ…ナルト。
「俺はおめーなんか知らねぇ!勝手な事言ってんな!」
「ハハハ…、」
知らない、か。
こいつは、いつからか独りで前へ進んで行ってしまった。
― 俺を置いて。
二人で生きてきた、そう思っていたのは俺だけだった。
闇の部分である俺は、もう必要ないのかナルト。
伸ばしても届かなかった、俺の手。
そのナルトの手を取ったのは、嫌いな大人だった。
「…何で、どうして、」
どうして、俺を置いてった?
俺はお前がいないと、
「お前は…俺が邪魔なのかっ!俺は…どうすればいい!」
ナルト、ナルト、何度も暗い闇の中でお前を呼んだんだ。
置いていかないでくれ、ナルト。
「ありがとうな、もういいんだ…。これからは、ずっと一緒だってばよ。」
「……ナルト、」
「うん。」
「……っ、」
「ナルト、」
「………うんっ、」
「もう、大丈夫だってばよ!」
「うんっ、」
ぎゅっと、握りしめた。
二人で抱き締め合って。
泣いて、泣いて。
ナルトは笑ってたけど。
これからは、もう独りじゃないんだな、ナルト。
終わり
243話の闇ナルが余りにも可愛いかったのでつい…すみません
闇ナルとナルトがお互いに名前を呼び合ってたら、激しく萌えます(真顔)
闇ナルトがカカシ先生とナルトの前に出てきたら、超絶おいしいですよねニヤニヤ