2年半の空白


二年半、なんて長かったようでそれでもあの子に会えばそれはきっと短かったと思えるのだろう。
今日ナルトが自来也様との修行から里に帰還した。
二年半だ、そんなに離れていて成長期なナルトはどこまで成長しているのだろう、と俺らしくもなく浮かれていた。
そして誰よりも一番に出迎えてやりたいと思った。

足取り軽く、木の葉門へと続く道を歩く。
すると、待ち焦がれた気配に足を止めた。
はたと上を見上げれば、太陽に反射してきらきらと輝く、眩しく金色。

(髪、)

さらさらと風になびく髪の毛は昔に見た、男の子を真似てぼさぼさな短い髪でなく、綺麗な長髪に変わっていた。
俺は声を掛けるのを躊躇う程、恥ずかしいが見惚れていた。

「お、…あぁあぁあぁ!カカシ先生!」
「よっ!」

俺に気付き、すとんと降り立つナルト。本当に大きくなって。
悪戯っ子のように、カカシ先生と俺を呼ぶナルトは昔のままだけど、声や仕草は女のものだ。
顔の半分が隠れてて、本当によかった。

「へへへっ〜、どうカカシ先生?俺、女っぽくなったってば?」

そう言ってくるり、と一回転して可愛く首を傾げるナルト。
ひらひらと後を追う高い位置で二つにくくられた金髪を俺にアピールする。
そんな目の前のナルトに目を奪われながらも、なんとか笑って返事をした。
不自然じゃなかったよな。

「んー、俺って言う所はなぁ」
「げ、私!」

「あれ、ナルト?」

不意に聞こえたサクラの声に、ナルトは顔を輝かせる。
あぁもう俺なんてナルトの眼中には映っていない。

「サクラちゃん!久しぶりだってばよ!」
「久しぶりね!…って、どうしてお色気の術?」
「「は?」」

サクラの一言に、俺とナルトの声が重なった。
やだー、早く変化解きなさいよ!とナルトの背中を容赦なく叩くサクラ。そこで、思う。

(……おいおい嘘でしょ)

二年半前、確かにナルトは男の子として第七班の一員として所属していた。が、流石にサクラも気付いてたのだろうと、勝手に思っていた。
体も他の同期の男の子と比べれば小さかったし、変声期も遅れていた。というか無いし。

「へ?サクラちゃん、俺が女だってずっと気付かなかったってば?あ、俺じゃない私。」
「またまた嘘…」
「嘘じゃないよ、サクラ。」
「カカシ先生まで…」

「本当だってばよ?」
「ナルト、」

だんだんサクラの顔が青白くなっていく。不味いな。
一発殴りそうな雰囲気。

「ナルト、」
「…へ?」
― ぎゅむ、
「ぎゃああぁあ!」
「あたしより胸大きいじゃない!しゃーんなろーっっ!」

あ、羨ましい。じゃない。
サクラの包容力が素晴らしいかったことを有難く思うことにした。
青白くなったと思えば今度は何か思いついたように笑った。

「こうなったら、シカマル達に教えてあげなくちゃ!」
「え、何で今?」
「色々あんのよ、この鈍感!じゃあ、また後で綱手様の所でねナルト!」
「え、サクラちゃーん?」

「何だってばよ。」
「さぁ。」

カカシ先生?と首を傾げて俺を見上げるナルト。
またまた面倒なことになっちゃって…。
二年半前も、ナルトが男の子だって皆思っている同期の男連中はそれでもナルトに夢中だったのに。
誰がナルトを振り向かせるか。
それが今、ナルトが女の子だって、それもこんな美人でスタイル良く育っちゃって。これじゃあ、争奪戦だ。

「俺も負けてられないな。」
「はぁ?」
「気にしなくていーの。」

二年半分、ちゃんと取り返させてもらうよ。ナールト。


終わり


(所でナルト、服どうしたんだ?お前いつも男物ばっかりだっただろ?)
(あぁ、服は全部エロ仙人がくれたってばよ)
(………)
(カカシ先生?)



勿論、下着も自来也が(笑)


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