「はぁあ、ああ、はっ、あっ！」

熱い、気持ちいい、痛い。
わからないままに触れる硬い体に腕をまわして縋りついた。
繋がったソコが、ぐちゅり、ぐちゅりと水音をたて何度も出入りしている。
意識すら失いそうな癖に音だけははっきり聞こえ、自分が今何をしているか、されているかを伝えてきた。

「つば、つばき、つばき。」

その声に、熱に、存在に、とかされていくようだった。

「たつ、みさん・・あっ、あああ、あぅあ！ちょ、そこ、嫌だっああ！」

限界まで開かされた後口に達海さんのモノが出入りするだけでもいっぱいいっぱいなのに
腰を支えていた手が下へと伸び、過敏な尻尾を掴まれる。
何度も味わった快楽への予感に期待以上に恐怖が勝った。

「そんな、っふ、怖がんなよ。」
「ッア、あああ！――――くっ。」

嫌だと言ってるのに聞いちゃくれない。
握りこまれた瞬間、全身に力が入り、達海さんのモノを締め付けてしまう。
体で覚え込んでしまったその感覚にどうしても耐えられずまた達海さんの腹にだしてしまった。

「・・・ハッ、ハ・・・ッハ」

なんとか息を整えようとしているのに、待ってくれない達海さんの激しさに理性など守りきれるはずが無い。
もう制止すら出来ずに、夢中で腰を持ち上げ擦りつけるように動かす。
何回イったかなんて数えてられなかった。
俺にもっとスタミナが無ければ意識すら失っていたかもしれない。
きっとその方が、楽だった。

今は終わりの見えない射精感に身体を操られているみたいで恐い。
だけどそれすら興奮してしまってるのも、また事実で、やめたいとは思えなかった。

下から突き上げられる動きに揺さぶられながら尻尾をいじられ、限界知らずの快楽に涙が自然と落ちる。
声を出して泣くこともできなくなったら俺は。


「ア、 あぁ、あ、ッツア、ふ、は、あ、ああ、あ」

痛い、辛い、苦しい？
暑い、熱い、気持ちいい？

分からない。

欲しい。

欲しい、欲しい、欲しい。

もっと。


達海さんの肩に両手をかけ、全体重を駆けて押し倒す。
突き上げる事に意識がいっていたのだろう、アスリートの名残を残したスラリとした身体は簡単に倒れ、ベットに受け止められた。

「あぁっ！」

繋がったまま急に角度を変えたせいでどろどろになったソコが一層強くえぐられ、悲鳴じみた喘声が喉から漏れた。
むしろ達しなかった事が奇跡かもしれない。

駆け抜けていった電流の名残が薄れるのを待ち切れず、紅く染まった唇に口づけた。
薄く開いた隙間から舌を忍び込ませると後頭部を掴まれ、引き寄せられる。
それに答えるように舌を絡ませ、貪った。

垂れる唾液が達海さんの口元を汚す。
子供のように好奇心に溢れるその目にこめられた劣情にひくりと腰が疼く。

痺れ始めてうまく動かせなくなってきている足腰に何とか力を入れて引き抜くと
焦ったように達海さんの腕が腰に伸びてきた。
先っぽが完全に抜けるそのぎりぎりで、強引に腰を掴まれ強く引き寄せられる。

「ふぁああああ！！　あ！　・・・ァア！！」

達海さんの先走りやらでぐちゅぐちゅに濡れたナカに再び性器が潜り込む。
突き抜ける快楽に腰が跳ねて、視界が天井を映す。
溢れ出る涙に滲んで何も見えなくなったけど。

ぐちゅ、ぬちゅ、くち。

耳防ぎたい。
水音が、うるさいし、達海さんは、せっかちだ。
俺が、やろうと、したの、に！
少しだけ身体を浮かせると、体重を乗せて限界まで身を落とす。
う、くっ、ああ！と唸るように吐き出す達海さんの声に煽られるようだった。
搾り取るように後口に力を入れながら、ゆっくりと腰を上下に動かせば
大きすぎる快楽に腕の力が抜けそうになる。

捕らえるよりも支えるように変わった達海さんの腕に身体を任し
ただただ動いた。
ああ、本当に、あつい。
ちかちかと視界がかすみ、そろそろ限界が近いのだと知らせる。
不定期に身体がひくつき、涙と声が溢れた。

「達海さ、ひぃあ、あ、そこっ！」


もう、間に合わない！

「――――っん」





はぁ、はぁ、はぁ。
疲れた、さすがにもう、力は入らない。
抜く事すら出来ずに達海さんの身体に倒れ込んだ。

いたわるように背を撫でるその手が気持ちが良い。
急に襲ってきた眠気に負けてしまいそうだ。

「椿、寝るなよ。さすがに今日は俺、お前の面倒、みれねぇ、ぞ。」

瞼が落ちそうになる瞬間、肩を揺さぶられて意識が戻って来た。
達海さんは疲労と息過ぎた快楽でくたくたになっているようで吐き出す声にも力が無い。
黄昏を過ぎた窓からはうっすらと月明かりが差し込んでいて、思った以上に時間が経っている事を教えていた。

じわりと冷や汗が背に流れる。

（やりすぎた・・？）



少しづつ冷静さを取り戻す頭が憎い。





とりあえず、うさぎって、凄い。
いろんな意味で。


現実逃避ともとれる考えに走る俺を撫でる優しい手だけが癒しだった。
しかし、そんな優しい手を持つ人に俺はこの先ずっと今日の事をネタにされ遊ばれ続けていくのだろう。