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「ねえ、椿いつから気付いたの? 俺がお前の事で悩んでるって。」
「・・・、半分は、賭みたいなもんでした」

奇麗に筋肉がついた足を撫でる、この足がピッチを駆け上がる姿を思い出して
熱いものが込みあげて来た。
思わずキスを落とすと椿がビクリと足を震わせ息が詰まらせる。

「前に、達海さんが寝起き、変な時あったじゃないですか。」
達海は身を起こすと手を上へ、上へと沿わせていく

「気になって見てたら、目合わなくて、あれっ?て思っ・・て」
腹筋をなぞり背筋の筋にそって撫で上げると今度は肩にキスを落とす。

「わかりにくいけど、達海さんいつも通り過ぎて、違和感あったから。」

「で、鎌かけたら、見事に引っかかっちまったんだな、俺。」

「本当にそうだったんですね」
どうして、と目で問う椿が眩しくて、目の上にキスを落とした。

「悩んでるわけじゃないんだ、椿。」

口に出す気は無かった、だがここまできたら降伏して、腹くくるしかない。
「一度見つめなおす時間が欲しかった。」

不思議そうに見つめる椿を抱きしめる、顔を見ながら言う度胸は無かった。「俺はお前を、大切にしたい。だけど、どうする事がお前の為なのか分からなくなった。」
「一度離れてみ・・痛っつ!!」


突然肩が突き刺さる痛みに襲われた。


「おま、今手加減無く噛んだだろ!」
「噛みますよ、なに一人で悩んでるんですか!めちゃくちゃ俺についてじゃないですか。」

「だったら俺に相談してくださいよ!勝手に決め付けて遠ざけられるなんて絶対嫌です」

ぐっと眉を吊り上げ大きい目でぎらりと睨まれる、
椿のくせにそれなりに迫力があって、正直ひるんだ。

ふにゃりと顔がゆるんで、力無く椿が笑った。嬉しそうに、悲しそうに。

「・・十分俺は大切にされてますよ、達海さんたまに意地悪だけど。」


灯台もと暗し、そんな言葉が頭を過ぎる。
俺は遠くから全体を見渡せた気がして、大切な事を見落としたかもしれない。
大事にしようとして傷つけてどうするよ、俺?

「・・・・ごめん、椿」
そっと椿の唇にキスを落とした。



そそり立った乳首に舌を絡めると、分かりやすく椿が震えた。
男でもここって硬くなったりすんだなあと面白がっていろいろ試そうとしたら、椿が逃げようとしたので、捕まえていろいろいじめた。
泣きそうな顔でこちらを見るので「嫌なの、ここ、気持ちよくない?」と聞けば

「気持ちがいいから困るんです。」

と声を詰まらせながら椿は答えた。


ああ、もうすげえかわいい。なんでこんなに初心に育ったんだか!
快感に流されたらいいのに、今はそういう時間だよと告げれば腕を交差させて顔を隠した。
顔が見えないのは残念だが、逆にいえば体は無防備と言う事でにいっと笑う。

いつまでそうしてられるかな、椿?

わざと音が出るように乳首にちゅうすると犬猫のようにべろりと舐めた。
そのまま噛んだり、吸ったりしてると椿が慌てて体を起こした。

さっと、胸から離れてこんどはすっかり勃起したものに舌を絡めた。

俺も男だし、要領は十分分かる。
いつも椿がしてくれるよう気持ちいい所を思い出して真似すると
止めようとした椿の手が甘えるように俺の髪に絡んだ。


視線だけで見上げると、椿はたまらない!
といったようにぎゅっと目を閉じて指に力を入れた、
そうっと目を開けた拍子に一粒涙がこぼれる。

どんどん息が荒くなって、我慢できないという風に吐息に混じって声が漏れる。
もっと出せばいいのに。

「つばき、きもひいい?」

銜えたまま話せば、いっそう頭に添えられた指に力が入ったのが分かった。

「いいです、気持ち、良いです、から、ん、あ」

もはや余裕の欠片も無い椿の口から唾液がこぼれおち、
目は快楽に溶けて涙を流し続けた。

不規則に跳ねる腰に限界が近い事を悟る。
「―、あ出して達海さん!駄目だ、あ、駄目、出して!!」


口の中で椿が果てた。
苦い味と生タコみたいな触感が口に広がる。

2、3枚ティッシュをとると、ぺっとそれに吐きだした。

ふと、椿を見るとぐったりした様子だ、目だけが信じられない!といった風に俺を責める。


「なんだよ、出してやったじゃん。」

「離して、っていった意味で言ったんっすよ!も、ばか!たつみさんのいじわる!」

そんな、泣きながら睨まれてもなあ、むしろ、もっとやれって前振り?

「さっき、分かっててやったでしょう・・!」

にやりと笑えば、やっぱりと椿が喘いだ。
力なく横たわる椿はとても艶めいてて、誘われるように体に触れた。



俺ばっか気持ちよくさせてるのに気を使ったのか、無理に体を動かそうとする椿を制して

「今日はまぐろになっとけ」
と、伝えた。
「それに、もう十分勃ってるしココ」

と指差すと、ひっ!と悲鳴を上げられた。

「何今更ビビってんの?いつも下のお口でくわえてるじゃん美味そう・・痛て!」

椿に蹴られた。この照れ屋め。



十分濡らして、柔らかくなったのを確認して、そそり勃ったモノを押しつけた。
椿を傷つけないようゆっくり挿入ると、ギュッと椿のナカが抱きしめてきて、それだけでイってしまいそうだ。

「は、・・んは、つば、き、もし、俺とお前が、離れ、る事になったら、ハ、どうする?」

聞こえないと思って、途切れ途切れになりながら聞いてみた。
小声だし聞き取れなくてもいい、二度言うつもりは無かった。

「わ、かりません、ただ、あッ!ふ、」

良い所に当ててしまったようで、会話が出来ないほどに椿が乱れた。
何度も何度も同じ所に当てるように突き上げた。

答えを聞きたくなかったのもある、怖かった。

「その時に!ならない・・と、想像も、でき、っないけど・・ん!」

椿は話すのをやめない。

「おれ、今、凄く幸せだからそれでいい、です」


「・・・・・・・・・ははっ!」
「ちょ、なんで笑うんですか!」

「違うよ、惚れなおしたんたんだお前に。」
今なら空でも飛べそうなほど心が軽い。


そうだ、先の事なんて分かんねえじゃん、今から悩んでどうすんの。
これからの事はこれから考えればいい、二人で。

ありがとう、愛してる 椿。
いつか来る別れよりも、今この時に二人で繋がれる事が凄く大切で愛しく思えた。



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