「丹さんはノリノリで若手と劇やってた、やらなくていいのに凄げぇノってた。」
「清さんと浜さんは当時の若手と流行ってた曲、踊って歌ってたと思う。」
「はぁ・・・」
「なんか想像できないっす、でもみんな若手の時期があったんですね」
「堺さん、何したんだろ。気になるけど知りたくねーな。」
「俺は越さんが想像できねーすよ。」
「越さん、ぶは！ ははは、怖い！ 達海さんなら知ってるだろ。聞いてこいよ椿！」
ちょ、世良さん！！ 後ろ、後ろに気付いて・・！
椿は向かい合ってる世良越しに村越を見た。
ここは昼時の食堂である、メンバーが勢ぞろいしているわけで・・。
その村越は背中を向けて座ってるので表情が見えない。
怒って無いといいのだけど・・・。
まだ笑ってる世良に言う訳にもいかず引きつった笑顔を浮かべ、耐える。
椿の気まずい表情に気付いてか赤崎が話題を変えた。
「こういうときは俺、夏木さんが羨ましいっス。あの人、地が八谷さんじゃねーっすか」
「ぶはっ、似てる！ 髪切って、ネルソン監督―！って叫べば良いだけだもんなー。」
「そっか、ものまねって芸能人じゃなくてもいいんですね。」
「椿、お前大阪の窪田とかすれば？ 同じ7番だし。」
「え、それとは話が別じゃ・・・・。」
一度話した時を思い出す。えーと・・・なんか、変わった笑い方してたなぁ。
「・・・・・わは。」
「似てねえ」
「つまんねえ」
（やらせといて、ダメ出し・・！！）
しょぼくれた椿を無視して話は進む。
「赤崎は怖い顔してるしなあ、持田とか」
ビクリと椿が震えた。
「あー、でもお前目ー細っせえしなあ。こう、グワッと開けねえの？」
「無茶言わないで下さい、生まれつきはどうしようもねーっしょ。」
「目ー思いっきり開けたら似そうじゃん。はい、せーのっ」
「やらすな！ で、お前もおびえんな椿！」
椿の表情は硬い。
「そんなに怖かったのか、持田とのマッチアップ。」
「その、持田さん笑ってたんですけど、友好的な感じじゃなくて・・
視線だけで死にそうでした。怖い、持田さん怖い。」
「「あー・・・、そっか」」
（そういや、こいつ持田とか八谷とか濃い奴ばっかマッチアップするよなー）
（ブラジルトリオとかにも絡まれてたっけ、なんかフェロモンでもでてんのかな・・）
憐れみの意思を含んだ生ぬるい視線が椿に送られた。
「おい、お前らコイツ見てなかったのか」
コンコンっとホワイトボードを叩くのは先ほど話題に上がった村越だった。
そこには掃除当番だとか、忘れ物だとか、様々な知らせ等が書きこまれている。
村越の手元に書かれた文字を見て、３人は言葉を失った。
『締め切り変更になりました、15日までにお願いします。』
「今日、何日でしたっけ？」
「16日だな」
冷静な村越の一言に、世良と赤崎は昨年の悪夢が蘇る。
椿はさっと血の気が引くのを自覚した。
「「「・・・・・・・・。」」」
「まだ、一日オーバーだ、有里ちゃんとこ走れ！今なら間に合うかも！！」
「なんで誰も気付かなかったんっすか！！」
「お前も同罪だろ、赤崎！」
3人は慌てて食器を片づけるとドアへと駆け込んだ。
バタバタ直談判に向かおうとする3人が出て行く前に、村越は言いたい事があった。
「おい、椿。」
「あ、はい！ 何ですか？」
「・・・・・・・・・・・分かるな。」
押し殺した、村越の低い声。
思い出すのは先ほどの会話。
『俺は越さんが想像できねーすよ。』
『越さん、ぶは！ ははは、怖い！ 達海さんなら知ってるだろ。聞いてこいよ椿！』
・・・き、聞いてたんですか村越さん！！！
「お、お、俺 達海さんに聞こうとしませんから！！」
それだけ叫ぶと椿は二人の後を追いかけた。
嵐が去って賑やかながら落ち着きだした部屋でジーノが村越に話しかけた。
「別に教えてあげてもいいじゃない」
「なんで知ってるんだ？」
「昔 参考にさせてもらおうと思ってね、有里ちゃんに聞いたんだー」
「・・・・・・・。」
「だから、中に君が入ってるって噂されるのかなあ。パッカ。」
「さあな」
応える村越は表情を変えない。
「秘密にしたいというより、ただ彼らをからかいたいだけだったんじゃないの君？」
「さあな」
にやりと口元を持ち上げる様子を見てやっぱりねとジーノは納得した。
「さあ、今年はどんな出し物がみれるかなあ。ははは、楽しみだねコッシー。」
遠くから世良の叫び声が聞こえた。
あとがき
35さんリクエスト「ザキ＋バキ＋セラ わいわい話」
残念な勢いだけの文になってしまい、力不足を痛感しております・・・ぐぐぐ。
村越さんは昔パッカの横でなりきりセット（ＥＴＵグッズ、無ければ達海自作）
を着せられモノマネさせられてたらいいなと思います。
セラザキバキは結局却下され、有里ちゃんの手でプロデュースされます。
2007年ならPerfumeとかさせられたらいいです。3人とも似合わない所が良い。