「椿」
「・・・。」
「おーい、つばきー。」
「・・・・・・・。」
困った。
椿が怒った、返事してくんない。
背中を向けているので表情が見えない、それが更に不安を煽る。
たしかに、うん、俺が悪いんだけど。じらした分たくさんイかせたし、つばき凄く気持ち良さそうだったし、ちゃんと体拭いたからさっぱりしただろうし。
「そろそろ返事してよ、椿」
「・・・・・・・・・・。」
やはり、無言は続く。
白い背中に、赤い痕。布団を引き寄せるのも疲労が見えるけだるい動作。
色気がやばいですよ、椿くん。
もう一回やりたいなぁ。そんな事を考えていたらケータイを投げられた。
いつになく乱暴な椿の行動に肝が冷える。
しょうがないから、拾い上げて画面を開くと、
≪何か言う事はありませんか?≫
「・・・・・・ごめんなさい。」
振りかえると達海はぺこりと頭を下げた。
椿の肩が震えてる。
あれ、笑ってる?
「え、なに?俺が焦ってんの見て笑ってたの? この小悪魔!」
「ちが、ほんとに・・怒ってました、さっきまで」
枯れた声で言うものだから、また下半身が反応したんだけど。
せっかく直った椿の機嫌を損ねたくは無い。
それに、大切にしたいのも間違いなく本心なのだ。