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 贈呈衝動



(止まり木願望 続きの話 性描写注意!)

ゆっくり達海さんの顔が近づいてくる。
目の際、頬、唇、ゆっくりと舌がつたう、ぞくぞくとした刺激にぴくぴく背が震える。
顎、首、まで来てビリリとした痛み。
噛み付かれた
Tシャツの襟首がひっぱられて鎖骨の辺りや肩もがぶがぶ噛まれる。
いたい。

「ふっ、 はぁ。」
噛まれる度に息が止まって、離される度に声が出る。
ぎらりとした達海さんの目が合って息を呑む。食われるかと思った。
達海さん、獰猛な動物みたいだ。

「達海、さん・・・」

言う前に悟ったみたいだ。余裕が無くても鋭いなあ、無いから鋭いのか。
達海さんがベッドに腰掛けて、俺が床に座る。
スラックスのボタンをはずし前をくつろげた。
ほんのり熱を持ちかけたソレをとりだし、くわえる。
舌を絡めてせいいっぱい奥まで呑みこんだ、ちりちりあたる感覚がくすぐったい。
先っぽまで形を確かめるようになぞり、また奥までくわえた。

「・・く、・・ふ・・・・・はぁ」

時々聞こえる達海さんの声がえろい。
髪の毛に添えられた手に力が入ってるのがわかった。
鼻血、でませんように。自分の頬が熱い、きっと真っ赤だろう。
繰り返すうちに煽られてスピードを速めた、そのうち奥まで入りきらなくなるから
根元は手で擦る、筋をなぞって亀頭に至る。
さすがに苦しくなって口から離した、育て過ぎたみたいだ。
けほりと咳をして息を吐く、その息がさきっぽに当たるのがヨかったみたいだ。
また、監督の腰が跳ねた。

「もういい、 つば・・、き。」

もう一度くわえようとした所を止められた。
腕をひっぱられ、ベッドに上がる。
視界の右手には壁、左手にはベッド柵、目の前には達海さん。
まるで閉じ込められたみたいだ。
まだ服も脱いでないや達海さん、俺もか。
そのまま視線を上げていく。 
はあ、はあ、と荒い息を吐き出す唇。
形の良い鼻筋、そして目を見てびびった。
狂いそうな熱さがその目に宿ってるのだ、そして唇は不敵に歪んだ。
閉じ込められたのは比喩でなく、まさに捕まったんだと悟った。

せめてもの自衛にちらりと見えた瓶を手にとる。
手早く下着ごとジーンズを膝下まで脱いでとろりとした液体に指を絡ます。
(今日の達海さんはきっと待っちゃくれない。)
そして、それをナカに挿れた。
きつくて、熱くて、自分でしてもちっとも気持ちよくない。
それでも突き刺さる視線が自分を追い詰める。
(こういうの視姦っていうんだきっと。)
全身を舐めるようなどろりとした視線から逃げたくなって達海さんにもたれた。
前かがみになった拍子に指がイイ所に当たってとっさに堪えきれなかった悲鳴が喉から漏れた。

「・・ひぁ!・・っくぅ・・・ん、はぁ。」

なんとか息を吐いて衝撃をやり過ごす。
唇に達海さんの耳の感触、異物感やいたたまれなさをごまかしたくて軽く噛んだり、舌を這わした。そろそろ、二本目入れても大丈夫か、な?

「うわっ!」

強引にベッドに押し倒された!
あわてて指を抜いて受け身をとろうとしたけど間に合わず、背中に衝撃をまともにうけてしまった。

「ばか・・やろう、せっかく人が我慢、ふ、してやってんのに」

あれ、達海さん顔あかい?
強引に両足を持ち上げられ、あそこにアツいものを感じる。
あ、まずい。と感じると同時に突き入れられた!
「――――ぁああ!!」

痛い、痛い、痛い、痛い!
まだ十分に慣らしてないもんだから、めちゃくちゃ痛い。涙出た!
なんとか歯を噛みしめて声を殺す。
ここで逃げたくない。
達海さんは優しい人だから嫌がったら止めてしまう!
どんなやり方であれ、せっかく達海さんが俺を頼ってくれてるんだ、なら応えたい。
指に当たるシーツを握りしめ息を吐くできるだけ長く、ゆっくりと。

「は、・・・ぁ・・あ。 はぁあ、 はぁ。」

ゆっくり目を開けると達海さんも涙目だ。
俺が痛いということは、しめつけもキツイという事で、当然達海さんも痛いという事だ。

「・・・・ははっ」

なんか、笑えた。
自分でやっといて自分が痛がってる、本末転倒というか自業自得だ。

「こんにゃ、ろう、・・・随分、はぁ・・余裕あんじゃねーか、はぁ・・、もう手加減なんてしてやんねえからな」

元から手加減なんかしてないでしょうに!
言う間もなく膝下まで下ろしてたジーンズを脱がされ、足を開かれ達海さんの体が入って来る。
右足くるぶしだけにジーンズの感触。どうせなら全部脱がしてほしかった!
もどかしさに体が震えた。達海さんの手が両足太ももに添えられる。
そして、何も、考えられなくなった。

「あああ! はっ! あぅ、 ・・ぅぐっ。」
痛い、苦しい、熱い、熱い、熱い!
異物感に突きあげられ、内側から熱さに焼かれる!
息を吐いて体から力を抜こうとしたが、とてもついていけない。
圧倒的な存在感に翻弄されて溺れる。
悲鳴のような、喘ぎ声のようなよくわからない声だけが通り抜けて、ああ、もう。
後は、されるがままだ。




「つばき、・・・っばき、」
もうろうとした意識のなかで俺にすがるあなたの声が聞こえた。







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