そして、快楽へ堕ちた

謙也さんはキス魔だ。唇だけやなくて、至るところにキスするのが好きや。そんなとこありえへんやろ、とか思うとこもこれまでにあった。あかん、思い出しただけで気分悪くなったわ。

「ひかるー?なんか余裕そうやな」
「んっ、」

そう今まさにキスされとる最中。今日は上から始まり、下にどんどん現在進行形で向かっている。つむじ、髪の毛、おでこ、瞼、鼻、頬っぺた、唇、喉仏、肩まで来て今は鎖骨にキスされた。服を着とるから、やりにくいんかしらんけどそれに不快感、苛立ちを持ってちょっぴり眉間に皺を寄せる謙也さんがかっこいい。

「なあ、光」
「っ、なんです」
「脱がせたらあかん?」

…あかんに決まっとるやろ。此処何処やと思うてんねん。学校やっちゅーの。しかも放課後の教室で、ちなみに言えば3年2組。

「あかん?」

俺が黙ってれば、再度聞いてくる謙也さん。聞いてくるとはゆうても、俺の了承は端から知らんぷりでカッターシャツのボタンを右手で外してもう片方の手で腰辺りを撫で回してくる。そして俺のキスによって固くなった胸の先端に謙也さんの舌が触れた。

「ひっん…このっ、あ…ほ…!」
「あほで構わんちゅーねん…ん、」
「ひぁ、…ああっ」

何度も何度も、乳首に軽いキスを落とされたり、ディープキスみたいに深いキスを唇ではない乳首にされ俺はゾクゾクとした。そして、それだけでは足りないという焦れったい気持ちでいっぱいになりながらも俺は頻りに喘いだ。そして時より、謙也さんをちらりと見ればいつもより意地悪そうな表情を浮かべてとって、ああ、この表情好きやなあなんて思ったりして、再び快楽へ溺れていった。

(快楽には勝てやしない)
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