嫌いなタイプ

朝の転校生の騒動が有ってから放課後になり、部活に行き練習に励む。ほんと、今日は面白かったなと思いながらリフティングをしていたら長い髪の毛を靡かせて白竜が隣に来たから転校生の話題を出してみる。

「白竜!おもしろい転校生が来たな!…えっと、シュウだっけ?まあ、確かにキャラ立たせるにはあんくらいやんないとなあ」

うんうん、と一人で自己完結しながら膝でリフティングをしていたのを止め頭にサッカーボールを乗せ再びリフティングを始める。そして横をちらりと見てどういった反応を示すかと思いきや、大して興味がないのか、白竜は膝でひたすらリフティングをしていた。ぽんぽんと一定のリズムを繰り返して。それを見た後、目を前に戻して言葉を繋げる。独り言になるけど、構わない、自己満足だし。

「もしかして、あれが素だったりして!」

面白おかしくしようと、冗談を言ってみる。白竜相手に冗談ってあんまし使えないけどさ。白竜はお固いしな…。

「まさか、」

きっとまた無反応かと思っていたのを覆され、今度は言葉を返してきた白竜。そんな白竜は、フッと馬鹿にしたように鼻で笑った。…たぶん、あの転校生を笑ったんだと思う。だって、

「ああいう人間は自分に興味を引きたいただの目立ちたがりの寂しいやつだ…、俺の一番嫌いなタイプの人間だ、カイ」

白竜はそういう人間が嫌いだから。まあ、もともと白竜は自分以外の他人には興味がないし、冷たいから当たり前かと思いながらふーん、と返すが一応転校生を庇うような態度をしてみる。

「話したこともないのに?」

サッカーボールを両手に持ち、顔を横に向けて尋ねた。白竜はオレとは反対に、リフティングを止めず右膝から左膝に変えただけでリフティングを続けながら言葉を吐いた。

「大体分かる」
「へーえ、じゃ明日話しかけてみよっっかな!」
「勝手にしろ」

転校生は興味深い感じだったから、明日話しかけてみようと意気込めば、白竜に氷みたいな冷たい言葉をもらった。やっぱり、冷たいな白竜。

(まあ、好き好きだからなあ)
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