さりげない行動にドキッ

効果音があるとしたら、ぎゅうっという音で背後から何者かによって抱きつかれた。まあ、誰かはすぐにわかる。こんなことする人は、納豆好きのあの人しかいない。

「なんですか、向日さん」
「よく、俺だってわかったな日吉!」
「貴方以外にいませんよ、こんな餓鬼っぽいことするのは」

はあ?んだと、この!ヒヨッコの癖に生意気だぞ!と向日さんはいまだにオレに抱きついた状態で怒る。耳にキーンとして煩いから離れてもらいたい。

「それよりもなんですか」
「あ?」
「なにか用事があったんじゃないんですか」
「別にねぇけど…強いて言うなら日吉が歩いてたから」

用事も無いのにオレを見たから抱きついたとかなんですか。自然にっていうことでしょう?はたまた無意識のうちに?…はあ、まったくこの人はなんでこんなに人をドキッとさせるのが上手いのか聞きたい。

「日吉?どうした?」

一人考えていれば、顔を覗き込まれた。それに直ぐ様反応して、言葉を返す。

「なんでもありませんよ」
「ならいいけどよ」

ぶっきらぼうに返したのに、向日さんはイシシと満面な笑みで返してくる。くそ、この人オレをこんなに虜にしてどうしたいんだ?と疑問を抱いてから、下剋上だ!と口にはせずに心の中で叫んだ。
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