ポジティブなオレの親友

なあ謙也、俺暑さで可笑しくなったんやろか。と隣にいた白石は何処かを見ながら言うた。わけがわからへんちゅーねん、どういうことや。

「白石なにいうとん」
「…財前が女の子や」

は、いやまったく意味わからん。財前が女の子って、お前財前の裸見たことあるやろ。女の子が持つふたつの膨らみはなかったで、しかも喉仏あったし…正真正銘財前は男や。

「チアの服着とるわ、ほらあそこ」
「どこや、…え」

白石がゆび、指す方へ目を向けるとそこには上の服もスカートも短いチアの服を着ていた後輩らしき人がいた。耳には、5つものピアスが太陽の光で反射してキラキラしていた。ざ、財前やん。

「あかん、かわええな」
「…せやな」

白石の可愛い発言に一応は、賛同しておく。まあ、財前は腰細いし、色も白いし顔も整っとるからかわええと思う。でも、今の白石の顔はあかん…デレデレでほんまに四天宝寺の聖書かっちゅー話や。そう考えながら、もう一度財前を見ると、こっちを見ていた。お、おう?目は合わんから、きっと白石と目合わせとんやろな。そう思ったら財前が口パクをした。なんてゆうとんやろと口許に意識を集中したら、き・も・い・っす・わといつもの口癖をしていた。それに白石はどないな顔しとんか気になったためちらりと横目で伺ってみると先程よりデレデレな表情を浮かべとった。白石、お前マゾやったんやな…と親友に引いていると

「あれは、好きっすわってゆうたんにきまっとるわな」

という白石の声が聞こえた。それと、そのあとにエクスタシー!って言うとるんも。絶対違うのにな、しかも字数足りてもないで…ほんま、ポジティブなやっちゃな…はあ。

(隣にいる親友に呆れた溜め息が出た。)
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