キミに復讐する

え、という言葉を聞きながらにこりと目の前の笑う。

「テツヤ、どうかしたか?」
「え、あの赤司くんどういうことですか」

焦りながら聞いてくるテツヤに、またにこりと笑い掛ける。今の自分はきっと悪人みたいな面をしているにきまっている。

「告白するならメールか直接どちらがいいと思うか聞いただけだが…、何か問題があったかい?」
「その、それは赤司くん自身が誰かに告白するっていう意味ですか?」

試合中のときみたいに、真剣な目で僕に聞いてくるテツヤに心臓がきゅうっと掴まれた。ああ、ほんとに厄介なやつだなお前は。お前の制でこんなにも僕は壊れてしまう。だからね、これはお返しなんだ。悪くいえば、復讐か?

「勿論、僕がだ」

外面ではなにもないように取りつくっているが、内面は酷く興奮の真っ盛りだ。結論、興奮の対象となっているのはテツヤの目にだ。いや、テツヤ自身か?…にしても、興奮というと気持ち悪いな。

「そうですか」
「で、テツヤ質問の答えはどうなんだい?」
「…ボクではなく、その好きな人に聞いた方がより効果的だと思いますが」

そう言って真剣な目を悲しみの目に変えてしまうテツヤに、はあと溜め息が出た。鈍感なのか、まだ気づかないようだ。いや、それとも気づいたがスルーしているのか?テツヤは、それほど鈍感ではないからそれもあり得るな。

「好きな人になら、尚更だな。僕はテツヤが好きなんだが、そんなテツヤはメールか直接どちらがいい?」

鈍感そうなテツヤのためにさらりと、仕方がなく思いきって言ってみた。すると耳を赤くして、ズルいです赤司くんと弱々しく吐いたテツヤを見て口許がつり上がるがわかった。

(あ、もう直接告白してしまったな…)


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