Your kiss!

海に行きたい、上目使いをしながら赤司が言った。まあ、赤司自身が企んで上目使いをしたわけじゃねぇと思う。俺と赤司の身長差に因って生まれたものだしな。

「いきなりなんだよ」
「ダメか?」

こてん、と可愛く首を傾げる赤司。なんだよ、狙ってんのか!?ああ!?くそ可愛い!と、心の中で葛藤する。

「だめつーか、な」

赤司を見ていたらきっと、いいぜと言ってしまいそうになるから目を違う方向に向けながら、喋る。だってよ、今日部活あったしよ…どうせ海に行くんだったら俺がチャリこがなきゃなんねぇだろ。疲れが倍増つーかな…。

「僕は大輝と行きたいが仕方ない、諦めるさ」

言葉を口にできないでいたら、赤司がそう言い俺に背を向けそのまま帰ろうとした。焦って、赤司の腕を掴んだ。

「…なんだい」

眉を少しばかり下げた赤司が振り返った。…俺の制でこんな顔してんのかよ…、あーくそっ。ほんとは、テツに赤司と海に行きましたなんてバレるのがあれだったから悩んだが、んなのどうでもいい。俺は決めた。

「あ、赤司海行くか」
「…いいのかい?」

赤司の問いかけに、おうと笑いながら答える。その瞬間、今まで輝きを無くしていた赤司の顔がキラキラと輝き出した。その顔を見て自分の頬が赤くなるのが分かった。そんな俺には気付かずに、ゆっくり近づいてきた赤司は耳元に顔を近づけてきた。

「砂浜でお決まりのやつするからな、大輝」

ぼそり、そう呟かれた。お決まりといえばきっとあれだ。『待てよー』『ふふ、私を捕まえてみなさい』『よーし、捕まえてやるさ』的なあれだろ?…ああいうベタなやつっていいよな。だって、捕まえた後にはキスが待ってるのが定番だからな。

「うし、行くか」
「ああ」

待ってろ、海…いや砂浜!そして、赤司とのキス!



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