思うことは皆一緒

花火は好きだ、とポツリ赤司くんが呟いたのが聞こえた。無視しようとも思わず、なんでですかと投げ掛けた。

「理由なんか簡単だ、…キセキの世代みたいだろ」
「え、」
「なんだテツヤ、僕がこんなこと言ったらいけないのかい?」
「、いえ」

つい、赤司くんの台詞が意外すぎて言葉に戸惑った。赤司くんがボク達をそういう風な感じに見てるとは思いもしなかったからだ。くすり、赤司くんが笑ったのが聞こえた。赤司くんの目を見つめると彼の手がボクの頬に伸びてきて、沿えられた。

「僕は、キセキのことは大切なものだって思ってるんだ。お前等が思っているよりも、ね」

くすくす、と笑いながらそう言った赤司くんにふ、と思い出した。それを口に出して赤司くんにぶつけてみることにする「…今日は、花火大会でしたね」と。すると、目の前の赤司くんは少しきょとんとしたが直ぐにいつもの表情に戻り、口元を軽く上げて正解、と言った。

きっと、赤司くんは花火大会にボク達と行く予定であの言葉を呟いたのでしょうが、ボク達が赤司くんと花火大会に行く予定を随分前から予定を立てていたことは隠しておくことにしましょう。そう思いながら、後ろからする皆の声を聞きながら赤司くんの手を取って皆の元に走った。

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