温かい居場所

※大学生で同棲設定

大学生になり幸村と時間が合う日は、一緒に台所に立ち料理を作る。オレはこの瞬間が一番好きな時間だろうと、隣にいる幸村をこっそり横目にしながら感じる。

「--だ、真田」
「!なんだ」

物思いに浸っていると、幸村の声が頭に響き急いで反応を示す。そして、先程こっそり横目していたようにではなく首をきちんと動かししっかりと幸村に向かした。

「どうかした?何回も呼んだんだけど」
「いや、すまない」
「そ、ならいいけどね」

ふふ、と軽く笑い幸村は止めていた手を動かし調理を再び再開した。そしてオレも、手を動かす。ある程度経ってから、ねえ、と幸村が声を出した。それになんだと手を止めずに返せば、俺、真田とこうしてる時が好きなんだと言った。自分が先程考思っていたことを、幸村も思っていたのかと驚きつい手が止まってしまった。それから、何か言わなくてはならんと思い…恥ずかしながらもオレもだと言えば、オレが驚いたように幸村も驚いたようで軽く、目を見開いた。直ぐに、目をいつもの微笑みに変えたが。

「以心伝心っていうやつだね」

それから、幸村はそう言った。その言葉が心地よかったのか、オレ自身はわからなかったが笑っていたのかもしれない。幸村が、そんなオレに満足したのか優しく笑っていたからだ。

(台所が幸せな場所とは、いいものだな)
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