口元が緩む

僕は、白竜の寝顔が好きだ。なんでかといわれたら、なんでだろ?わかんない。でも、大好きなんだよね。そんなことを思いながら、横にいる白竜に目を向ける。

「白竜?」
「んん、」
「眠いの?」

ちが、うとか聞こえるけど、眠たいんだろうな。目擦ってるし。ああ、だめじゃん白竜。そんなに擦っちゃいけないってば。

「寝るなら、ベッドだよ」
「ちが、うぞ」
「はぁ、もう瞼が閉じかけてるのに何言ってるの」
「だから、」

眠たい癖に白竜はいつも寝ようとはしない。反論してから、結局床で寝ちゃって僕がベッドに運ぶ。別に、それはいいんだけど…たまに僕のこと間違って剣城って呼ぶから嫌だ。これくらいは…嫉妬じゃない、はず。あ、もう目閉じちゃった。

「もう、白竜」
「んん」

眠りに入った白竜は絶対に満足する睡眠時間を取るまで起きない。はぁ、と少し溜息をつき白竜を姫抱きにする。可愛くいうと、お姫様抱っこ。白竜の体は見た目よりだいぶ軽いので、またあんまり食べて無いのかと考えさせられた。全く、倒れたりしたらどうするつもりなのかな。はぁ、と二度目の溜息をつく頃にはベッドに着いていたので優しく白竜を寝かせた。

睫毛、長いなぁ…女の子みたいなどといつも寝顔を見ながら思う。それにしても、なんだか白竜の寝顔って落ち着くんだよね。見てたら、心が暖かくなったりする。両親というのは我が子が眠る姿を見ると親は取り留めもなく優しい顔になるというけと、僕が白竜の寝顔を見るときもそうらしい。前に、カイが僕を尋ねてきたとき今みたいに白竜の寝顔を見ていたら「シュウって、白竜の親みたいだな」って言われた。でも僕たち、恋人同士なんだけど。白竜を育てた覚えはないよ、別に嫌じゃないけどさ。そして、少し前のことを思い出したあと、再び白竜の寝顔を見てつい口元が綻び白竜の剥き出されたおでこに軽くキスを落とした。

おやすみ、白竜。
いい夢を見てね。
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