一人も欠けてはならない

幸村部長と真田副部長ってなんか見えないなんかありそうッスよね、と隣にいた赤也が言った。その言葉に確かにそうだなと感じさせられた。

「そうだな、目に見えない何かがあいつらを繋がせているんだろう」
「柳先輩もそう思うッスよね」

にこにこと満面の笑みで下から顔を覗かせる赤也がとてつもなく可愛く見えてしまい、髪の毛をくしゃくしゃにしながら頭を撫でた。この後輩に勝てる確率0%。

「えー、蓮二は俺達と繋がってないのかい?」
「ぶ、部長!」
「精市」

赤也の頭を撫でていると、弦一郎と話をしていた精市が俺達に近づき声をかけてきた。

「いっとくけど、蓮二も繋がってるんだからな」
「そうか」

そうは言われたもののあまり説得力が無いのは、精市と弦一郎が幼なじみだからだろうか。そう思っていると、蓮二と名前を呼ばれ精市の方を見ると貴公子といわれるのがわかるくらいの微笑みで「俺達、三人で三強なんだからね!」と言われた。

ああ、この神の子に勝てる確率も0%だな。まったく、精市には勝てる気がしない。

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