買わん方が良かったかな、

膝にひかを寝かしながら、サラサラな真っ黒な髪の毛を撫で上げる。そして、ついぼやいた。

「買わん方が良かったかな…」

なんて、何も考えずにぽつりとそう吐いてしもうた。すると、ぱちという効果音と共にひかの目が開かれた。それに少し驚きながらも且焦る。また、起きとったんか?今、起きた?などとどうでもいいことを思いながら。

「ちゃ!ちゃうねんあんな、」

急いで、先程の言葉を否定するように声を出すが焦って思うように口に出来ないのが現状やった。そうこうしてるうちに、膝にいるひかが目をうるうるさせ涙目になりながら辛そうにこちらを見上げていた。

「…や、やっておまえ一人遊びばっかやし、俺とおる意味無いんちゃうかなとか…いや、あんな」

出てきた言葉は虚しく、ひかは膝からピャッと飛び降り離れたところに行きどよんとしたオーラを漂わせ、耳を垂れ下げた。そんな姿を見て、数分前に考えずに吐いてしまった自分を恨めしく思いながらねこじゃらしを使いひかのご機嫌を取ろうと必死になるが、ひかは落ち込みこちらを見ようともしなかった。

(あかん、俺のアホ…)

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