白竜の部屋の前に着くと、少しだけ息を吐きドアノブを押し中に入った。中に入った途端、ベッドの上で体育座りをして顔を伏せている白竜が目に入る。その瞬間、躊躇することなく直ぐさま白竜の元に行き前から抱きしめた。 「白竜っ」 「…シュ、ウ」 白竜を抱きしめると、今まで顔を下げていた白竜が戸惑いながら恐る恐る顔をあげた。そして見えた白竜の顔は涙でぐちゃぐちゃだった。ああ、僕は彼になんてことをしてしまったのだろうか。大切で、大切でどうしようもない彼を傷つけてしまった。 「ごめんね、ごめんね」 「シュウ」 「ダイッキライなんて嘘だよ、白竜のこと大好きだよ!ごめんね、ごめんね」 ただ、ひたすらごめんねと謝っていると白竜が小さく口を開いた。 「シュウ」 「なに、?」 「嘘でも、もうあんなこというな…」 白竜の言葉が重く伝わった。だから、僕はもう決して嘘でもあんなことを言わないと決めた。 「うん」 「…それと、お、おれも悪かった。緑茶を否定することをいってしまって」 「ううん、僕もごめんね」 謝罪をしながら、服をぎゅっと握ってくる白竜に思わず愛しさが募ってくる。ほんと、僕たち馬鹿な喧嘩しちゃったね。ふふ、と軽く笑い僕は白竜のおでこにキスを落とした。 |