君を舐め上げる

ふと、財前を見ると自然に五つのピアスが光る耳に目がいく。そして、今更ながらなんでピアス開けとんやろななどと思う。

「なんですか、部長」
「…ん?」
「さっきから、俺のこと見てましたやん」

財前にそう言われ、確かに何分も財前を見つめていたことに気づき、また我に返ると自分の手が財前の耳に向かって伸びているにも気づいた。その手に気づいたのか、財前がガシッと手を掴んできた。

「なんなんです」
「いや、別に深い意味はないわ」
「そっすか」

俺の言葉を聞くと、財前は簡単に掴んでいた手を放した。それがとても惜しくなり今度は自分の手で財前の手を掴んだ。

「…せやから、なんですの?」

いつもより、眉間に皺を寄せる財前に苦笑いしながら堪忍な、と言った。結論、手は放さなかった。そして、手を自分の方に引くと思ってもいなかったのか財前の体はすんなりこちらに倒れてきた。

「部長…」
「せやから、堪忍ってゆうたで」

くすりと後につけると、はぁとデカイ溜息を財前は吐いた。幸せ逃げてまうでなんて思いはしたが、口には出さなかった。その代わりとは言っては変だが最初に気になっていたピアスに口をつけた。

「ん、」
「!ひっ、なに、やって!んんっ」

まずは右の耳に唇を何度か落とし、耳の中や耳たぶなど細かく舐める。その度ごとに財前の体はびくりと反応を示す。んんー、エクスタシー!

「あっ、ん」
「んん、なんや財前女の人みたいな声でとるなぁ」
「っ、このド変態!」

それくらいの罵声は気にならなかったが、財前を弄る理由には十分に持ってこいだったためそれを利用することにした。

「…あかんな、財前。部長に対する態度やないで?そんな悪い部員にはお仕置きや」

包帯を巻いた左手を財前の頬にもっていき、すりすりと撫でた。それだけで、財前はんっと声を出す。それに興奮を覚えながら、左手を頬から放しピアスを取った。それを不審に思ったのか財前は、うるうるさせた瞳でこちらを伺ってきた。

「ぶちょ、?」
「仕置きやで」

そう言ってピアスを取ったために、あらわになったピアスホールに舌を寄せ舐め上げる。

「ひゃん、っあ!やめっ…んんっ、やっ」
「かわええな、財前」

何度も何度も穴に寄せ舐めたり吸ったりなど繰り返した。たまに、噛み付いたりするとそれまで以上に感じる財前がひどく愛しかった。

あかん、癖になりそうや。

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