スパークシャットダウン

ピカッと稲妻が走る。そして、カーテンを閉めきっている部屋でもけたましい音が響く。それが、どうしても嫌で仕方なくなってくる。雷は嫌いだ。なぜかわからなかったが幼い頃から好きになれずにいた。…まぁ、雷が好きとかあんまり聞いたことないけど。

「真田」

俺の部屋に居るもう一人の人物に声をかける。真田は、テスト勉強に夢中になっていたのか返事がなく、もう一度声をかけた。

「真田ってば」
「む、なんだ」

二度目でやっと反応して、顔を上げて俺を見てきた。相変わらずの仏頂面だな。ま、馴れたけどさ。

「手」
「ああ」

俺が手と言うだけで真田は自分の手を重ね合わせてくる。そして、その後恋人繋ぎにもっていく。うれしいけど、意外に恥ずかしい。にしても、真田の手は落ち着く。そう感じながら再び真田に声をかける。

「今日泊まっていけよ」
「…うむ」

少しだけ間が空いたが、肯定の返答が返ってきたので安堵した。だが、真田が俺の誘いを断ったことはないから心配にならなくてもいいんだけどね。特に雷の日は、俺の言うことを何でも聞いてくれるから好きだ。そうじゃなくても好きだけどさ。

ゴロゴロ

と近くで音が聴こえ、それを遮るように真田の胸に飛び込んで顔を埋めた。真田の臭いが俺の鼻一杯に広がった。それが嬉しくて、雷が終わるまでずっとこのままだよ真田と言いながらふふと微笑んだ。

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