ああ、ジェラシー!

大輝に彼女ができたという噂を耳にした。その瞬間、あらゆる感情が溢れ出てきた。それは僕には何も言ってなかったのに、噂で知らされてしまったことに対する悲しさと、僕は大輝に友人以上の気持ちをもっていたための、膨れ上がる嫉妬だった。なんか、ムカつく。

「おい、赤司」

後ろを振り返ると、大輝が面倒臭さそうな顔しながら立っていた。そう、憂さ晴らしのために先程読んだのだ。当の本人はこれから何をされるか解っちゃいない。…ああ、顔を見るだけで嫉妬で爆発しちゃうよ。

「ああ、大輝」

と吐いたのと同時に目の前にいる青い髪の男に、容赦なく持っていた鋏を振り下ろす。大輝はその行動に少しばかり目を大きく見開いたが、直ぐに勢いよく避けた。

「…なにすんだよ」
「え?刺してやろうかと思ってさ」
「俺がなんかしたか」

いら。ああ、お前は何も知らないもんな。キャプテンである僕が、お前に好意を寄せていたことも。今、嫉妬していることも。仕方ないから、教えてあげるけど…その後は思う存分に鋏でジョキジョキしてやる。

「大輝、彼女できたんだろ?」
「あァ?」
「なんで僕に教えなかったわけ。僕に知られたくなかった?あれ、僕ってキャプテンでありお前の友達?だろ。ああ、お前は僕のことどうでもいいのか、そうなんだな」
「おい、赤司聞け」
「うるさいな、黙ってろ。最後まで言わせろよ、僕は大輝お前が好きだ。だから、彼女とか出来たとかほんと苦しいんだよ。嫉妬で死にそう?狂いそう?なぐらいだ」
「聞けつってんだろ!」

…ああ、もう何なんだよ。人の告白ぐらい静かに聞けないのか、この青髪頭。そう思いながら目を鋭くさせ、大輝を睨むと大輝は髪をガシガシ掻き回し僕を見つめてきた。

「赤司言っとくけどよ、俺彼女なんかつくってねぇ」
「は、」
「噂だろ、昨日コクられたからなんじゃねぇ?」

待てよ、待て。ってことは、嘘?…あれ、嘘だと知らずに僕、だだ大輝に告白しなかった?…っ!

「おお、赤司真っ赤になってんな」
「だま、れ」

気づいても遅い、僕は大輝にしっかり告白をしてしまった。ああ、顔が髪の毛同様に赤色に染まるのが自分でも嫌なほどわかる。そして、目の前で僕を見下ろしている大輝も嫌なほどわかる。くそ、全部大輝の制だ。明日からどうしようか、顔を合わせるなんて出来る筈がない。部活も無理だ、そうだいっそのこと引き込もってしまおうか。

「赤司」

黙っていた大輝が僕を呼ぶが、聞こえない振りをする。僕はひたすら足元を見て明日からの、今後のことを考える。すると、足元を見ていたため大輝の足が動くのがわかったので少しだけ顔を上げると、抱き締められた。誰れかなんて考えなくてもわかる。大輝だ。なんで、僕抱き締められてんの。

「だい、き」
「彼女なんか作るかっての。お前が、赤司が好きなのによ」

耳元でそう吐かれ、ゾクゾクした。にしても、両思いだったのか。嬉しいけど、今僕の首とかいたるとこにキスを落とす大輝は後で殴る。覚悟しときなよ、大輝。

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