ダイッキライ!

白竜と喧嘩した。今すぐにでも仲直りしたいけど、白竜は頑固だからきっと簡単にはいかないんだろうな。そもそも、喧嘩は僕と白竜の好みの違いで、いつものように練習が終わって二人部屋でのんびりしているときに事件は起きた。


白竜がいつも僕といるときに飲んでるいる飲み物になぜか興味を引かれて聞いてみることにした。

「ねえ、いつも白竜って何飲んでるの?」
「む?ああ、これか。シェイクだが」
「シェイク?なにそれ」

シェイク?白竜の言葉をリピートしてみるがわからなかった。すると白竜は、飲んでみるか?と僕に言った。もちろん、その申し出を断る理由もなく僕はうんと返事した。それに、白竜と間接キスだしね!ふふ。

「ほら」
「わ、ありがとう!…白竜も僕の飲む?」
「…そうだな、貰おう」

差し出されたシェイクとやらを手にしながら、僕が飲んでいた飲み物も白竜にあげることにした。それは緑色をした緑茶。やっぱり、苦くて渋い緑茶が一番だよね!!と心で思い緑茶が入った湯呑みを白竜に差し出した。
お互い、相手の飲み物を手にしたところで打ち合わせをした訳でも無くほとんど同時に飲み物を口にした。その刹那、う゛え!という声が部屋に響き渡った。言わずとも僕たち二人のもの。

「あ、ありえない!なにこれ、あま!!あ゛まっ」
「なんだこれは!にがい、苦い苦い苦い」

はぁはぁと、息を荒くしながら飲んだものについて言葉を出す。この飲み物ってなんなの?甘すぎだよ!白竜はいっつもよく飲めるね!

「シュウ、…よくこんな苦いもの飲めるな、ありえんぞ」
「なに言ってるの、おいしいよ!この苦さ加減がいいんじゃないか!それに言わしてもらうけど、このシェイクとかいうやつ甘ったるすぎて気持ち悪くなるよ!!」
「シュウ!貴様、シェイクを馬鹿にしたな!!この甘さは絶妙なんだぞ!それに言わしてもらうがな、お前が飲んでいる飲み物はお年寄りが好むみたいだな!」

お互いに、相手の飲み物を全否定する。それにしても、なんなの?お年寄りが飲むだって?僕のこと馬鹿にしてるのかな!?むかむかしちゃう!

そんなイライラが募ったのか、ついに僕は我慢仕切れなくなって思ってもないことを言ってしまった。

「っ、は、白竜なんかダイッキライ!」

それを言った瞬間に、焦った。白竜の顔が、青白くなって絶望感で満ちていたからだ。そして、否定の言葉を出そうと試みるが中々言葉に出来なかった。

「…そうか、」

そんなんで戸惑っているうちに、白竜が一言だけ発して後ろを振り向きそのまま歩いて僕一人を残したままいなくなった。

そして、いまにいたるのだ。本当に数分前の自分を殴り倒したい、そう感じるがそんなことを言っても出来るわけもなく、はぁと溜息を吐く。このまま、喧嘩した続けたままなのだろうか…サッカーを白竜と楽しく出来ないのか。白竜の笑顔を見ることも出来ないのか。ネガティブな方向に思考がついいってしまいながら一つの答えに辿り着いた。
…やっぱり、喧嘩したままは嫌だ。僕は、白竜とサッカーがしたい、笑顔がみたい、笑い合いたい。だから、仲直りしなきゃだめだ。そう思って僕は立ち上がり、白竜の部屋に走った。



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