死亡フラグ立ち上がりました 「大輝」 「あァ?」 練習中に赤司が声をかけてきた。まぁ、キャプテンだし当たり前だろって思っていたのが間違いだったみてぇだ。 「…大輝」 「だからなんだよ!!」 「これから僕に殴らせろ」 「は?」 ぽかんと開いた口が塞がらなかった。いきなり何言われるかと思ったら殴らせろって相変わらず横暴だな、コイツ。だが、赤司の声色には怒りが混じっているからなにかコイツの気に障らないことがあったのは事実だろうけどな。 「俺がなんかしたか?」 「ああ、罪の意識もないのか」 にっこり、と効果音が付きそうなくらいスッゲェ満面の笑みで微笑まれた。こえええええ!俺なんかしたかよ。朝普段通りに学校来て、授業サボって、…で今にいたる。赤司と会ったのは放課後になってからであって…ああ?なんかわけわかんなくなってきたな。 「黙るなよ、…そうそうこれ僕優しいから返してやる」 「はァ?」 赤司が手にもっていたものを投げつけられる。バサッと音がしたから、雑誌かと悠長なことを考えていた、表紙を見るまでは。 「げっ、」 表紙を見てみると、それは淫らな女性が乱れている姿のものでいわば、エロ本。因み巨乳ものだ、俺の好みだしな。 「いい度胸だな、大輝。なに?胸がそんなにいいか、まぁ女の武器だしね。僕にそれが無いからなに、こういうもんで抜いてんの?なら、女と付き合えよ。僕となんで付き合ってんの?」 「あか、赤司」 早口に言葉を吐き捨てた赤司に、声を掛けるが赤司は俺を睨んだまま俺には反応しない。あーっ、くそっ。こんなことなら、エロ本借りんじゃあねかった。どーっすかな、と思い赤司を見るが赤司は段々下を向きだした。 「…僕が、女ならそんなことしないか」 「なァに言ってんだよ」 ぽつりと赤司が漏らした言葉に反論した。別に赤司が男であって問題があるわけがねェ。 「なら、見んな。こんなの見んな。僕がある程度自由な行動しても怒らないのはお前だけなのに、お前しか許さないのに、」 「…ワリィ、」 「殺す」 「っ、俺が悪かったァ。許してくれ」 赤司の口から殺すと出た瞬間、異常なまでに汗が出だしたので、素早くしゃがみ込み赤司の顔を覗き込む。途端に、体が強張った。 「おま、泣いてっ」 「…ころ、殺す」 あの赤司が目に涙を浮かばせていたので非常に焦った。それに加え、ムラムラした。 「…赤司、ワリィ。好きだ、もうお前の命令には逆らわねェよ」 そう吐けば、赤司は口元を歪ませ愉快そうな顔つきになった。…言葉間違えたなァと思ってももう遅い。今夜はフルボッコ確実だ、逃げてェ。 「今夜みてろよ、大輝」 悪魔の囁きが聞こえた。 |