リピートエブリデイ!


「財前ー!」

ガラッと教室のドアがこんにちは、と横に引かれて見えたのは金髪を輝かせる一つ上の先輩。

「なんっすか」
「昼飯食おうや」
「部長と食べたらええやないですか」
「オレは、お前と食いたいっちゅーねん!」

素早く俺の机に寄ってきて、それからぐいぐいと顔を近づけてくる。この人、部長が隣におるからあれやけど、普通に他の男子よりかはモテるような顔つきをもっている。だから、少しは照れる。

「ちょ、近い」
「財前、一緒に食おーや」
「誰も断ってないっすから、ほら、早う」
「ほんまか!?よっしゃあ!」
「せやから、顔っ、」

俺が言葉を発するも虚しく、謙也さんの耳には届かないのかまだ、いやもっと距離が近づいてきている。あかん、普通の先輩後輩の関係ならええけど、俺らは生憎恋人という関係だ。せやから、こう密着?されると恥ずかしくなる。いつもクールにきどっとるが中身はこんなもんや。

「こら、謙也やめえ」
「っ、いた!」
「財前、めっちゃ嫌がっとんで」

パコンという優しい効果音ではなく、バコッという音を立てた白石部長の拳が謙也さんの頭にヒットした。

「部長」
「おん、俺も一緒に食べてええか」
「いいっすよ」
「おおきに」

別に、恋人である謙也さんと二人っきりで食べたいなどとは思わない。二人だと、謙也さんはスキンシップという名のセクシャルハラスメントをしてくるからだ。せやから、昼は部長と謙也さん、俺で食べる。

「っう、また白石もか」

謙也さんが先程部長に叩かれた頭を摩っている。

「毎度毎度のことやろ、まあちなみにお前の財前への絡みも毎度のことや、少しは反省しろってことやな」
「ええやん」
「アホか、大切なうちの天才になにしてくれんねん」
「ちょ、オレは大切やないんか!?」

目の前でやり遂げられている、このやり取りも毎度のことに近い。だか、それが嫌だと思わない。寧ろ良い、好きだ。そう思い目の前にいる二人に聞こえるか聞こえない程度の声で小さく呟いた。

「ええっすね、こんな毎日も」

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