あ、と思った瞬間に目の前で矢吹がこけた。だが、室内にいるから石があるわけではない。まあ、単にただなにもないとこでこけたというのか。うん、矢吹可愛い。少しにやける口元を、手で覆い隠しながら矢吹に近づく。そして、手を出す。

「矢吹、大丈夫か?」
「…はい」

矢吹は顔をほんのり赤く染めながら、俺に怖ず怖ずと手を伸ばす。…ほんと、可愛いな。再びニヤつきながらそう思っていると、冷たい目で見られた。勿論、矢吹にだ。

「桔梗、ニヤけてます」
「うん」
「正直に言いますが、あまりいい顔つきではありませんよ」

ご丁寧にありがとう、矢吹。気持ち悪いなどと言わないところが好きだ。やっぱり、矢吹は他の人とは違うのはこんなところだろう。

「矢吹」
「はい」
「足出して」
「なんでですか、」
「怪我してないか見んの」

そう言い、矢吹にソファーに座るように指示する。そして、僅かに躊躇した後に、矢吹は足を俺に出してきた。今日に限って、矢吹は短パンだったのでやはり先程のこけた衝撃で擦っていた。軽く膝から血が出てきている。それを見て、一つの考えに辿り着き実行してみることにした。

「あー、擦ってみてるだし消毒しなきゃな」
「大丈夫です、これくらい」
俺が消毒しようと言っても、矢吹に拒否された。だがしかし、諦めない。

「ふーん、まあ一応消毒な!」
「だから、いいですって。それに、桔梗なにももってない、」

ぬめり、と矢吹の言葉を遮り舌で膝を嘗めた。案の定、呆気にとられていた矢吹も直ぐさま眉をつり上げ怒りをあらわにする。それを無視して、腕に力をいれ矢吹の脚を抑えつける。そして、再び舌を使い嘗める。時に、ぴちゃぴちゃとわざと音を発てて嘗めたり、吸い上げたりなどした。そして、思う存分にやったので最後に膝にキスを落として脚から手を退かし、矢吹を見上げ一言発した。

「唾液は傷にいいっていうだろ?」

調子に乗りすぎると大変なことになります!
(真っ赤な顔をした矢吹にビンタされたのは言うまでもない)




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二万打ありがとう
創作久しぶりに書いたよ!
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