「真田」
聞こえてきた声に、む、と一言発し、続けてなんだ、幸村と返した。すると、顔をじっと見つめてきた。いったい、なんだというんだ。
「似てはないな」
ある程度経ってから、やっと幸村が声を出した。しかし、似てはない?意味がわからん。
「どういう意味だ?」
「…いや、今日の授業でさ"サナダムシ"っていうのがでてきたんだ」
「さ、サナダムシ?」
「俺も正確にはわかんないから、蓮二に聞けよ」
「ああ」
そうはいったものの、虫とオレが一緒…どういうことだ、解せん。少しだけ、憂鬱になりながらあとで蓮二に聞くとしようと思っていたら、ふと幸村があ、と声を上げた。
「でもさ、俺真田の名前だったから少しだけいいなって思ったんだよねサナダムシ」
そう言って、綺麗に微笑みを浮かべる幸村。む、胸が高なるというのはこういうことなのだろうか。何年も見てきた笑みにオレはいつまで経っても馴れそうにはない。…たるんどる。
神の微笑みはお綺麗である
(真田、顔赤いよ)
(!ご、50周走ってくる!!)
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真幸をもっと書きたいな。ほのぼのした日常的な真幸。