じー、とさっきから財前が桜を見とる。桜にかわっとるとこなんて、ない。なんや?
「財前、なんで桜見てんの?」
「…謙也さん、おったんすか」
「おまっ!前からずっと隣におったちゅーねん!」
「陰薄いんで気づきませんしたわ」
「お前なっ!!、いやちゃうねん。なんで桜見とんかちゅー話や!」
話が逸れとっから、戻すと面倒そうに財前がこっちを見る。…オレ、先輩よな?悲しくなってきた。
「はぁ、桜の木の下には死体が埋まっとるってゆうやないですか」
「…で?」
「掘ったら、出んのかなって思ったんっすわ」
無表情にさらりという、財前に身震いしたのはゆうまでもない。でも、そんなとこも好きやけど。
好奇心いっぱいな後輩さん
(でも怖いっちゅーねん)
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迷信ですよ!