青峰っちが、俺を見てくれたことはあったのか。青峰っちにとって俺という存在はなんだったのだろうか。…わかってはいた。嘘だと自分に言い聞かせ、逃げていた。青峰っちが見ているのは、黒子っちだって。黒子っちは“影”で、青峰っちが“光”。対照的な関係だ。どっちも好きだった。けど、青峰っちはもっと特別だった。俺がバスケを始めたきっかけが青峰っちだから。俺のヒーローだった。だからずっと、今まで青峰っちに追い付こうと努力してきた。だけど、届く以前に更に距離ができた。ああ、あんたには敵わないのか、と今さら思う。けど、もういいんだ。

俺はあんたに憧れるのはやめる。

そして、…あんたに、勝つ。
試合開始のホイッスルを聞きながら俺は決意した。

さよなら、ヒーロー。

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