「あ、」

ちょうど今、自主練習の最中に宍戸さんが声を出した。一体なにごとだろうか。

「どうかしましたか、宍戸さん」
「いや、なにかお前に言いたいことがあったんだけどよぉ」
「そうなんですか?」
「ああ、でもなんか忘れちまって、」

んー、などと言いながら悩んだ顔をする宍戸さん。そんな姿もカッコいいです!

「なら、思い出したら言ってください」
「そうだな」

しっ、練習再開するぞ、長太郎!と最後に宍戸さんからの言葉をもらい練習に励んだ。少し、ほんの少しだけ宍戸さんがオレに何を言いたかったのか気にしながら。


練習も終わる頃には、先ほど気にしていたことなど頭の片隅におおいやられていた。そして片付けをして、着替えて、宍戸さんと帰ることになった。

「長太郎」
「はい」
「練習中に言っただろ?」
「…あ、オレに言うことがあったってことですか?」
「おお」
「なんだったんですか?」

そう問うと、あー、うー、その、と宍戸さんは歯切れが悪そうに唸っていた。いいにくい、ことなのだろうか?まさか!ダブルス解散とか…、そんなことになったらオレはどうしたら…。

「―ろう、長太郎!」
「っ、あ!はい」

マイナスな方向を考えていて、反応に遅れた。すみません、宍戸さん。

「聞いてたか?」
「すいません」
「はあ、まあ俺が言うようなことじゃないんだけどよお」
「?」
「お前、昨日告白されてたろ?」

え、?昨日告白されてたろ?…あ、そういえば1つ上の先輩に告白されたんだ。でも、それを宍戸さんに言った覚えがない。

「ちょうどよ、お前呼びに行こうとしてたらみちゃってさ」
「そうだったんですか」
「で、少しだけ気になってよ!まあ、長太郎のことだし俺がとやかく言うようなことじゃねえよな!」

そう笑って答えた、宍戸さん。オレは、宍戸さんに気にかけてもらえたらうれしいですよ。ああ、昨日の告白をしてくれた方には感謝しなきゃいけない。こんな宍戸さんが見れたんだ。

「断りました」
「ん?」
「告白断りました」
「へー、そうか」
「宍戸さんが一番ですから」
「っ!お、お前はいつもそんなことさらって言うな!」

顔を紅くする宍戸さんに、思ったことは直ぐにいいたいんですよ、とかける。すると、…まあ、長太郎のいいところだけよ…と照れ臭そうにはにかみながらいう。ああ、本当にこの人が好きだと実感した。

気になるのは
思春期のせい!

(あ、気にかけたのって嫉妬ですか?宍戸さん!)
(ちげぇよ!)




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一万打ありがとう
鳳宍好きだけど、甘ったるいの書けない。素直になれないのが好きだなあ。
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