財前、と練習中のあいつを呼ぶ。すると、「なんすか、部長」といつもの調子で答えて自分に近づいて来た。答えるのは普通なことやのに、ああ、好きやなって思う。ほんま、自分が可笑しいくらい財前に依存しとる。

「今日、部活終わったあと部室残とってくれ」
「…はあ、ええっすけど」

俺が財前にそういうと少し眉間に皺を寄せながらしぶしぶ了承した。そして、俺に背を向け練習に戻る財前。少し背中を折っていたら謙也に話しかけとった姿が見えた。ああ、なんで、謙也なん?と嫉妬を抱く。すると、「すんません、今日一緒に帰れそうにないっスわ」と俺が聞いたことのない財前の声がした。その後に続く「せなん?まあ、明日帰ろや」と謙也の声。何なん?お前ら一緒に帰る約束しとったんやな。また、嫉妬が沸いてくる。いらいら。先ほどの謙也の言葉で、財前は照れ臭そうに頷く。ああ、また嫉妬や。俺をこんな嫉妬させて財前はどないしたいん?…なんていうてみたりするけど、お前は謙也のモノやもんな…なあ、なんで俺じゃあかんの?まあ、ええわ。今日の部活後財前になにしてやろか。興奮する気持ちを押さえながらラケットを振った。

人のモノほど
奪いたくなる

(好きなんや、財前…)




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もう少しで、白石が病んだところを書きそうだった!寸止め。まあ、少しやばいところもありますね。謙光も好きだけど蔵光も好き。
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