「旦那!」

そういって、抱きついてきやがったのはデイダラだ。…邪魔くせぇな。

「旦那、眉間に皺スゴいぞ、うん」
「テメェのせいだろ」
「オイラ?なんでだい?」
「あァ?いらいらすんだよ!」

そう怒鳴ると、カルシウムとれよ、旦那と言いやがった。…傀儡にしてやろうか…こいつ。

「はあ、」
「そうそう、旦那!」
「なんだ」

ダルくて仕方ないが、迅速に事を終わらせるためだ。我慢しろ、俺。

「今日は、ホワイトデーだろ?お返しだ、うん」
「…待て、」
「ん?」

俺は作業していた手を止め、きょとんとこっちを見ているデイダラに向き合った。いい歳した男がきょとんとかすんな。誰に需要があんだ。

「俺はお前にバレンタインやった覚えはねぇ」

そうしっかり言ってやった。途端にデイダラは焦りだした。あァ?なんで焦ってんだコイツ。

「なにいってんだよ、旦那!オイラの部屋に置いただろ?」
「はァ?」
「いや、だって!」

…いや、決して俺はやってない。俺がやるとかねぇだろ。…だったらなんで、…あ。

「デイダラ」
「!やっぱり、旦那だったかい?うん」
「いや、あれは鬼鮫からだ」
「は、」

たしか、お前がちょうどいないときに鬼鮫のやつが配りだしたんだよ、で、お前がいなかったから部屋に置いたんだろ…鬼鮫が、とデイダラに言う。みるみるうちに、デイダラの顔が青くなった。

「き、鬼鮫だった?…くそ、旦那からじゃあなかったって?うん…」
「…」

ぼそぼそ言い始めるデイダラを横目に俺は、部屋から出ていった。
そっとしておこう

世の中そんなに甘くありません
(旦那!来年は待ってるぞ、うん!)
(立ち直り早いなお前)




‐‐‐‐‐‐
き、鬼鮫からだったんだよ?
いいでしょ?
旦那から貰えるなんて、そんなの無理に決まってるジャマイカ!
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