避けられてる。
南沢さんに俺は、現在進行形で避けられてる。なんかしたっけ?…思い当たることもない…あ、朝のことか?今日はホワイトデーで、クラスの女子に義理のお返しやってるところを丁度あの人が見て、そうだ、それから避けられてんだ。ああ、めんどくせぇ。くそっ。…あ、前方に南沢さん。
「南沢さん」
「!」
びくっ!と南沢さんの肩が反応する。いや、あんたどんだけびっくりしてるんッスか。
「なんだよ、倉間」
「南沢さん、俺のこと1日避けてません?」
「…いや、」
「ふーん」
俺が少しにやついた表情で言うと、南沢さんが…なんだよと言ってきたので、もっとにやにやしながら言ってやった。
「俺が、女子にお返しあげたから妬いてるんッスか?」
発すると、南沢さんが途端にこれでもかと言うぐらいに顔を赤く染めた。うわ、可愛い。なんだよ、この人!ギャップすげぇな!可愛いんだよ!
「ち、違うに決まってんだろ」
「…なら、いっすわ」
「は、」
「俺、南沢さんが嫉妬してくれてたらすっげぇ嬉しかったんですけど」
少しだけ悲しそうな表情にして言ってみる。すると、
「…ばあ、か、したっつうの」
赤くなった顔を手で隠しながら、小さな声で南沢さんが言った。やっぱり、この人ギャップすげぇ。
「今日は素直ッスね」
「るせ、倉間お返し」
俺がおちょくると、南沢さんはいつものような顔になり命令してきた。ああ、あんたはこうじゃなきゃな。さて、お返し…
あ、家に忘れた
(死ね、倉間)
‐‐‐‐‐‐
ネタがないんだよ。
仕方ない…。