やべっ!課題やってねぇ!
伊勢崎が叫んでいるのが聞こえる。毎度のことだから気にしない。
「倉田!」
「なんだ」
「課題みしてくんね?」
「はあ、少しは自分でやれよ」
ノートを渡しながら、一応毎回言う。おお、といいながら受けとる伊勢崎。わかってないだろ、おまえ。まあ、いいか。
「あ、なあ倉田」
「ん、まだ何かあるのか?」
「帰りにどっかいかね?」
「は、」
固まった。帰り?放課後に伊勢崎と?…あ、いや待てオレ。野上とかもいる。なに、動揺してるんだ。
「俺は行きたいところないから、野上とかと考えろ」
「は?お前と俺だけだけど」
「伊勢崎?」
「…鈍感だとは思ってたけどよ、ここまでかよ…」
なに、言ってるんだ…伊勢崎。お前が、オレに気があるみたいに聞こえる。
「倉田、よく聞けよ」
真剣な目で見てくる伊勢崎に、どきっとさせられる。この後、伊勢崎から発せられる言葉に、もっとドキドキさせられることを、まだオレは知らない。
好きだ、とシンプルに言われた
(オレの肌が真っ赤に染めあがった)
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青春攻略本から、伊勢崎と倉田。うん。