(10年後?)


不動、おい不動!聞こえてるなら返事しろ。

「…なんだよ、鬼道チャン」
「お前に頼み事がある」
「ふーん」

真剣な目で俺を見てくる鬼道。ああ、真正面にいるのは俺な筈なのに鬼道の赤い瞳には俺は映ってない。いま、ここにいないあいつのことを鬼道は見ている。俺はそれに気づいているのに気づかないふりをする。負けを認めたくないからだ。

「で、頼み事ってなんだよ」
「ああ、実はな」

鬼道がなにか発しているが、頭の中に入ってこない。くそっ、いらいらする。なんであいつ、豪炎寺なんだ。そりゃ、俺にないなにかを持っていたとは思うが…未だに想う相手にあいつは値しないだろう。

「不動?」
「…わりぃ」
「体調でも悪いのか?」
「いや、続けろ」
「しかし、」
「いいから」
「…ああ」

納得いかないという目で反論してきたが、そういうのはいらない。どうせ、お人好しだからこそのことだ。俺を好きだとかそういう類いではない。だから、期待はしてはいけないんだ。

豪炎寺ねぇ…、いったいいつまで鬼道くんの王子様気取りで鬼道くんの心の中に居座り続けるものか。あー、だりぃ。いっそのこと強引にでも奪ってみるか?

俺が代わりの王子様ではダメですか?
(何年後もこいつを想う気持ちは変わらない)




‐‐‐‐‐
10年後ってたまらないよね!
不鬼が好きだけど、豪鬼も好きよ。鬼道さんが愛されてれば生きていける!ひゃっほい!
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