「矢野のじいちゃん平介の課題持ってきたよ」
「じいちゃんて。ごくろうサマー」
「毎回見張る身にもなってよね」
「じゃあ毎回高級菓子用意する身にもなってよ」
「まあまあ、ぎぶあんどてーくですよう」
「悪い顔してるねきみ」
「じいちゃんに言われたくない」
「で、彼はいつになればわたしの授業受けてくれるの」
「さあ、無理じゃない?それこそ高級菓子毎日用意しないと」
「じゃあきみのほうが安くつくね」
「安いだと…。ひどいっわたしを安い女なんて!」
「なんてこと言ってるのきみ」
ガチャッ
「どうせ安い女…あ」
「あ」
「「「……」」」
「き、教師と生徒のする会話じゃありません…!!」
「いや今のは」
「お菓子の話で、」
「っ先輩は!あのヘラヘラした先輩の!交際相手ではないのですか!」
「は、はい」
「確かに先輩はヘラヘラしてどうしようもないけれど、どうして、平気で人を裏切るようなことを…!」
「ちょ、誤解だからね!こいつおじいちゃんだから!」
「おじいちゃんなんかじゃないもーん。まだまだ若いもーん」
「ややこしくすんな糞ジジイ」
―――――――――
「誤解、ですか」
「そう、誤解です」
「す、すみませんでした!先輩に向かってあんな生意気なこと…」
「わたしにはなんか無いの?」
「いーのいーの。しかし本当真面目だね海藤くん」
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