「へいすけ」
「はいはい」
「おがわ」
「にゃんこ?」
「小さい川じゃなくてさ、広い川じゃだめなの?」
「唐突すぎて着いてけない」
「平じゃなくて凸介とか凹介でもいいよね」
「…うん…え?」
「でも小川平介じゃないと私は好きにならない」
「…ありがとう?」
「でもなんていうか…名は体を表すって感じ。あえて冒険しない感じが」
「それってどうなんだろう」
「よきことです」
「…そう。じゃあさ」
「うん?」
「小川にゃんこになるのは、よきこと?」
「…ベリースーパーモストよきこと」
「はは、おれが冒険せずに稼いでくるから、かわいい娘と家で待っててくださいな」
「娘決定?」
「決定。…息子でもいいけど、反抗期になると手に負えない」
「平介の子なら大丈夫だと思うけどなぁ…。娘にもおとうさんと同じ洗濯機で洗わないで!とか言われちゃうんだよきっと」
「いやだ…。…でもやっぱり、娘がいいよ」
「ふぅん、なんで?」
「息子とは言え、他の男ににゃんこの心を動かされたくない」
「あはは!他の男って!」
「……悪いかい」
「悪くない、悪くないよ。じゃあ私は、旦那様の心を娘にうばわれないように頑張らなきゃね」
「期待してます」
きっとこれを幸せと呼ぶんだろうね
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