「平介、」
「どしたにゃんこーちょっと前が見えないんですけども」
「テレビばっか見ないで相手してよ」
「んー。そろそろお菓子のレパートリー増やそうかと」
「……、……」
「(揺らいでるなー)ね、だから膝から降りようか。もしくは前向いて」
「なんで?」
「集中できないから」
「……えいっ」
「ぶっ」
「レパートリーは後で増やそうよ。今は遊んで」
「(胸のせいで息が出来ないけど幸せ)」
「聞いてるー?うひょっ」
「うひょって」
「や、ちょ、どこ触ってんの」
「腰」
「そんな遊びやだー!一緒に出掛けようよ」
「…はいはい。どこ行く?」
「本屋行こ。そんでケーキ屋さん寄って、帰ってきてお昼寝しよ」
「欲望のままだねそれ」
「まあね!せっかく平介といるんだから楽しいことしなくちゃ」
「(かわいい)…そうだね。じゃあとりあえず膝から降りて」
「え?いやだ」
「ん?」
「平介着替えるんでしょ?」
「うん」
「二階まで抱っこしてー」
「えええ」
「何か文句あっか」
「こわい。…分かりましたよどっこいしょ」
「やっぱお姫様抱っこよりも普通の方が視界高くていいねぇ」
「そう?階段上るから暴れないでね」
「ん。…ふー」
「!!ちょ、耳!危なっ落ちたらどうするの」
「あはは!動揺し過ぎ」
「もうほんとにゃんここわい」
「大丈夫大丈夫。平介は絶対に私を落とさないから」
「俺がお陀仏です」
「大丈夫大丈夫。平介バカだから死なないよ」
「ひどっ。はい、降ろすよ」
「えー…やっぱ今日はお家でいいや」
「無駄な体力消費しただけですか俺」
「ん?そうでもないよ。ほら、ベッドあるし、ね」
「……(これはどう取るべき?)」
小悪魔な彼女を持つと大変です。
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