▼ よかったね!影山くん!
「眞桜!」 「ノヤくん!」 「!?」
馬鹿同士、話があった彼らはにこにこと喋り始める。どちらもバレー馬鹿で、清水を崇めてるので、話題は尽きない。 そしてその姿に驚く者がいた。 影山である。 影山は姿を見られるだけで逃げられるので、眞桜と仲良くどころか話すことすら出来ずにいたのである。 眼力を飛ばす影山に眞桜は全身を震わせた。
「うおおおううぅ」 「ん!?眞桜影山が怖いのか?」 「こ、こわっ、こわく、な……ウソっす怖えっす」
影山の眼力を前に、眞桜は嘘がつけなかった。 影山が一歩前に進むと眞桜は一歩下がる。 その様子に西谷は爆笑である。
「大丈夫だ!こいつはバレー馬鹿なだけだ!」 「でもいっつもひなちゃん怒ってる……」
影山の背景に雷が散った。 西谷は床に転げて爆笑している。 ただ、こればかりは自業自得なので、誰も手を貸さなかった。 影山はずぅんと明らかにショックを受けたような顔をした。 それに眞桜の罪悪感が刺激される。 こうしていても、仕方がない。 眞桜は少しだけ話しかける事を決意した。
「あー、えーっと、せっ、セッターさん、上手ですね……ひなちゃんド下手なのに」 「!?うっす……」
影山が跳ね上がる。 眞桜は悲鳴を飲み込み、びょんと寄ってこようとした影山を手で制した。
「あのね、ガーッと来ないで……こられたら、ホント困るどう反応していいかわからないから。でも静かになら来ても……」 「ホントですか!!」 「うひっ」 「マジでビビられてる!!」 「君でかいし顔怖いしすぐ怒鳴るから……」 「影山フルボッコだな!」 「でも、君のバレーはきらいじゃない……」
むしろ……わたしはそんなのの方が、すき
小さな声で、口を尖らせて言う眞桜に影山が目を輝かせて言葉にならない声を上げた。
「聞きました!?西谷さん!!」 「眞桜が!!デレた!」 「!?」 「あっ!逃げた!」 「速い!!」
流石にそれ以上は無理だったようで、眞桜は逃げた。 それでも影山の表情は晴れ晴れとしたものであった。
アンケリク:影山くんと西谷先輩との絡み 影山に少し慣れる →
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