▼ 美味しいです!スガさん!
「あ、眞桜ちゃん」 「菅原さん!」
烏野一眞桜が懐いているといっても過言ではない菅原に眞桜は駆け寄る。 菅原も可愛い後輩が増えたなあと思っているので、彼らの仲は自然と良くなっていったのである。
「あ。眞桜ちゃん。チョコ食うかー?」 「食べます!」
眞桜は大きく尻尾を振って菅原に寄る。 菅原は眞桜の頭を優しく撫でて、チョコレートを取り出す。 だが取り出したチョコレートは溶けていた。
「あー、溶けてる」 「こういう時だけ夏が恨めしいです……」
項垂れる眞桜に菅原は苦笑し、チョコレートを摘み上げた。 幸いチョコレートは表面しか溶けていない。
「眞桜ちゃん、口開けて」 「?」 「これ持ったら眞桜ちゃんの手まで汚れるべ?」 「ありがとうございます!」
眞桜は菅原の指ごと口に含んだ。 ざらついている舌で丁寧に指に付いたチョコレートを舐めとられる感覚に菅原は吃驚したが、彼は適応力があるので苦笑するだけであった。 菅原は解放された指が外気に触れて、冷たく感じ、苦笑した。
「ご馳走さまでした!」 「お粗末さまでした?あとさ、眞桜ちゃん。指まで舐めたら駄目」 眞桜は不思議そうに首を傾げる。 「気持ち悪かったですか?」 「そういうことじゃなくて。とにかく駄目だかんな」
納得はいってないものの、まあとりあえず頷いておこう。
そんな様子がありありと伝わってくる眞桜に呆れた様子の菅原は溜息を吐いた。 確かに彼女は問題児だ。
アンケリク:菅原さんに餌付けされる →
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