▼ ねこまね、谷地を発見する

「合宿!!」
「喧しい!!」
眞桜は夜久に怒鳴られ、しゅんとしおらしく……なるわけも無く。
清水を潔子さんと慕う山本にすすっと寄った。

「ねー虎ー!今年烏野も来るらしいよ!潔子先輩いるよ!一緒お風呂だよ!」
「なっ!!なぬっ!?これ程性別を恨んだことはないぜ……っ!」
山本の大きなリアクションにリエーフも寄ってきた。
「その烏野のマネージャーさん美人なんすか?眞桜さんみたいにぺったんこじゃない?」
リエーフは眞桜に蹴っ飛ばされ、いっで!!と声をあげる。
だが、眞桜はその体型により控えめな胸を大して気にしている訳でもないのだが、リエーフは些か素直すぎた。
「ざけんなリエーフ!ぺったんこの何が悪い!潔子先輩は全て完璧じゃあい!」
「ぺったんこ認めてるんすね」
「抉れてないよ!?ちょっとはあるよ!?脱ぐよ!?」
「ヤメロ眞桜!」
服の裾を掴み上に上げようとする眞桜の腕を掴み、夜久は頭を叩いた。

「何処かで潔子さんを讃える声が聞こえた!」
「それは行かねばならんな!龍!」
「うぎょえええ!!?」
いきなり現れた田中と西谷に眞桜は奇声を上げたが、彼らには聞こえてないようである。
「ハッ!音駒のビショウジョも讃えてたのか……っ!」
「美しいとは罪だな、龍」
「さすが潔子さんだな!ノヤっさん!」
「お前らちょっと黙っとけ!ごめんなー、眞桜ちゃん」

烏野のオカンが事態収集にやって来た。
前回の合宿で菅原と仲良くなった眞桜はにへ、と相好を崩した。
だが、彼女の目は新たなマネージャー、谷地を捉えた瞬間丸くなった。

「いえ!潔子先輩美人ですし……っ!?あのか、可愛い子誰ですか!」
「えっ?」
次は音駒のオカンが動いた。
眞桜の頭を掴み、無理に頭を下げさせる。
「バカ眞桜!スミマセンうちの馬鹿が……」
「夜久先輩!だって!可愛い子増えてる!ひなちゃんたちいないけど!可愛い子増えてる!」
指をさされた谷地は跳ね上がった。
「!?わっわたし!?可愛くなんてないですよ!あっあああなたさまこそ美少女さん……っ!」
「?夜久先輩、あの子何言ってるの?」
「気にすんな。お前は美少女じゃないぞ」
「夜久先輩何言ってるの?当たり前でしょ。でも美人系か可愛い系ならわたしは可愛い系」
「そうだなー。アホの子は可愛いってアレだなー」

ずるずると夜久に引きずられながら、眞桜はワーワー騒ぐ。
その様子を烏野メンバーは唖然とした様子で見ていた。

「ねーねー、夜久先輩、あの可愛い子……」
「駄目」

眞桜の可愛い駄々は夜久に一刀両断された。


アンケリク:ねこまねの行動に烏野メンバーが振り回される


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