▼ 煽っちゃダメ!月島くん!

「あ、あの……壁になっていただけませんか」

眞桜はこの場イチの長身、月島に縋り付いた。
「は?」
「アレ……」
「あぁ、王様」

眞桜の言葉に理解出来ないという顔をした月島だが、眞桜の指差す先が目を煌々と光らせた影山である事を理解し、納得する。

「いいですよ」
ほっと肩を撫で下ろした眞桜だったが、性格の悪いと評判の月島である。そのままである訳がない。
月島は影山に近付き嘲笑を浮かべた。
「王様、音駒のマネージャーさん凄くビビってるんだけど。それとも王様はビビらせる事しか出来ない感じ?」
「あ?」
「ちょっと眼鏡くん!喧嘩売らないで!」

慌てて月島と影山の間に入るが、影山の眼光に負け、小さく悲鳴を上げて月島の背に隠れた。

「怖がられてやんの」
「月島ー、煽るのやめろよな。影山もグイグイいかない!」
「………………ウス」
「あと眞桜ちゃんお前らからすれば先輩だから!」

鶴の声菅原である。
影山は不満そうな顔をしながらもちゃんと引いた。
だが、影山の声の代わりに声の大きくなった奴らがいる。

「!?じゃあおれらと同じか……!?」
「だな!ノヤっさん!」

田中と西谷である。

「潔子さんと先輩と後輩……!」
「美だ!」
「潔子先輩は確かに美人ですね!」
「おお!だよな!」
「!?ノヤっさん!それ、いや違う!その方は!」
「ハッ!!」
慌て始める二人に、きょとんとした表情を浮かべる眞桜に月島はぷすすと笑う。
「家狸センパイ、そっち行かないほうがいいと思いますよ」
「あぁん?!月島!?」
「おれたちはセンパイだぞ!?センパイ!!」
「……」
「無視かオラアアア!!」
「?分かった。あ、眼鏡くん名前月島っていうの?ツッキー?」
「……」
「眼鏡くん、嫌なら嫌って言ってもいいぞ〜」
黒尾が急にあの人を食ったような笑いで呼び掛けた。
眞桜はにこりと笑ってぴしゃりとその声をはたき落とした。
「あ。あれは無視でいいよ」
「……はぁ」


アンケリク:影山、月島、田中、ノヤっさんとわちゃわちゃ


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テーマ「人外ファンタジー」
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