100万打リク | ナノ


▼ 3

「…納得したら折れてやらないこともないかもしれない」
「微妙な言い回しだねぇ」
「いいから言えよ」

折れる気などない高梨の心境などお見通しのようで、簡単に納得する素振りをみせない神田に取り繕うことすらしない一言を投げる。
面倒臭い。いっそ無理やりにでも押し倒してやろうか、そんな思いにかられるも実行に移すには多少ならずの問題がある。
高梨もある程度は鍛えてはいるものの、細身に見えてその実脱いだら凄いんですを体現する神田と比べると、体格、力共に敵わないのだ。押し倒したところで返り討ちにあって、それこそ墓穴を掘るはめになってしまうだろう。
逆にいえば神田にしてみれば高梨を強引に押し倒すことは出来るわけで、けれど今まで神田が力任せにことに及ぼうとしたことはなかった。口ではなんだかんだ言いながらも、高梨の意思を尊重しようと努める相手の誠意、といえばなんだか気持ち悪い感じがするが、まぁ誠意というものを見せられてしまうと、無理やりにという手段に出るのは躊躇われる。

「…とりあえずさ、これなんとかしようよ」

これ、と言われて視線を落とすと硬く盛り上がった股間が視界に入り、童貞かよ、と笑おうとしてやめた。
この程度の触り合いで反応しているのは自分も同じで笑うに笑えない。
同意を返す代わりに神田のナニが邪魔で下げにくいスラックスのジッパーを下げ、遠慮のない手つきでボクサーパンツの中で窮屈そうにしているブツを取り出す。
すでに完勃ち、とまではいかないものの、そこそこに育ったそれは何度見てもデカい。けして高梨が小さいわけではない。神田のサイズが標準以上なのだ。
こんなものを尻に突っ込まれるなんてありえないだろう。絶対に裂ける。流血沙汰には慣れてはいるが、尻から流血なんて目にあった日には…。

「情けなくて腹切りてぇわ」
「え、なんで切腹願望?」
「漢気」
「いや、意味わかんないから」

場の空気に不釣り合いな会話をしながらも、神田の手は慣れた動きでスラックスの中から同じように高梨のものを取り出して指を絡めてくる。
互いのものを握り合った体勢というのは、何度か経験してはいるけれど毎度妙な気恥しさを感じてしまう。そんな素振りをみせればドMなようにみえて、その実ドS素質満載の神田を無駄に喜ばせるだけなので、気づかれる前に相手の肩口に顔を伏せると握った手を緩々と動かす。
少し強めに握りゆっくりと手を上下させていると、相手も負けじと動きを真似て高梨の反応し始めたそれを扱き出した。
女の手の柔らかさとは違う、ゴツゴツとした手の硬い皮膚が敏感な個所とこすれる感触に最初こそ戸惑いはしたが、今となってはしっくりと馴染みなんともいえない気持ちよさを与えてくる。

「…っ…ふ……」

高梨の吐く息に熱っぽさが混じり出したところで、緩やかだった手の動きが追い立てるように早くなり、しんと静まり返った室内に卑猥な音か微かに響きだした。
自分の先端から滴ったものが神田の手とこすれて鳴っている。そう思うと自分の手にまだ濡れた感触がないことが悔しく、こすり上げるペースを競うように早めていく。
ここで神田の口から「もう濡れてるね」だとか「感じてるんだ」なんて言葉が出ようものなら、高梨の性格上この扱き合いは即中断されたであろう。が、長い付き合いで何度かの失敗を経験している神田は、余計なことを言わず口を閉ざしたまま高梨の快感を煽ることだけに集中しているようだ。

「…っ」

このままでは男としてのプライドが許さないとばかりに、神田の弱い個所を集中的に刺激する。先端よりもカリの括れを輪っかにした指で強めにこすってやると、握ったそれが硬さを増すのを感じてしてやったりと口角を持ち上げる。が、笑っている場合ではない。
リードを許さないとばかりに神田の指で濡れて滑る鈴口をグリグリと押し擦られ、笑みに歪めた唇を洩れそうになる声を殺すために引き結ぶ。

くそっ…。

相手の先端からも透明な滴が滲み始めているのは確かだ。けれどどうも今日は分が悪い。
忙しさでここのところセックスどころか自己処理すらする時間がなかったわけで、それは相手も同じと思っていたのだが…。

「おまえ…抜いた、だろ…」
「んー…昨日、サクラちゃんおかずに一回ねー」
「ぃっ…」

勝手に人使ってんじゃねぇよと文句の一つでも言ってやりたいところだったが、グリッと抉るように乱暴に割れ目に指を突き立てられ、走った痛みに息を呑む。

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