100万打リク | ナノ


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「…っん……」

綺麗に浮き上がった鎖骨に歯を立てると、鼻から抜ける甘い声が薄く開いた唇から漏れた。
鎖骨から唇を上へと滑らせ、喉元をきつく吸い上げると繋がった箇所が愛撫に反応するように絞られ、なかに埋まった屹立を締めつける。

「おまえ、喉んとこ弱いよな」

からかうように囁いてやれば、近づけた顔を押し退けようと額に手がかけられた。けれど弱い力の抵抗では、余計に嗜虐心を煽る効果しかない。

「っ…ぅ…」

仕返しとばかりにまだ途中だった屹立の埋め込みを一気に奥へと進める。急に柔壁を擦られ、硬い塊をさらに呑み込まされたことに息を詰め、組み敷いた体が小さく震えた。
眉間に寄った皺と上気した目元がやけに色っぽい。佐野のしかめっ面は見慣れているけれど、寄せられた眉も引き結ばれた口元も、情事の最中にみせる表情は、普段の相手からは想像がつかないほどいやらしくて魅力的だ。
悪戯を咎め睨みつけてくる目も涙で潤み、胸と股間に甘い疼きを与える。

「そういうの、逆効果だってわかってんの?」
「…なに、が…」
「もっと虐めてくれっていってるように見えるってこと」
「んなわけ…っ…ぁ、あ…っ」

相手が言いきる前にシーツに横たわっていた体を引き起こし、膝の上に乗せる格好で深く繋がった部分を軽く揺するように突いてやる。戯れるかの動きに加え、プックリと尖った胸の突起に指を絡ませた。指の腹で掠め、きつく摘まみと強弱をつけての愛撫を繰り返す。こうされると佐野は弱い。

「や、め…っ…」
「なんで?気持ち良さそうにしてんのに」
「…焦らす、な…」

胸の愛撫だけでは足りないのだと、一番感じるところはわざと外しての腰の動きがもどかしいのだろう。自ら刺激を求め佐野の腰が揺れる。あまり積極的な面を見せない恋人の予想外の痴態に、珍しいと楽しめるだけの余裕はなかった。

「あっ…ぁ…んっ…」

再びシーツの上に押し倒し、スラリと伸びた足を肩にかけると緩やかにせめていた腰を打ちつける動きに変えた。たっぷりとローションで濡れたなかが、激しいストロークでやらしい音を立て、色めいた行為の情感を盛り立てる。
感じる場所を擦られ堪えきれず上がる嬌声は、淡々と冷めた響きの声音からは想像できないほど艶を帯びて耳から欲情を擽ってくる。必死で縋りつく腕が愛おしい。
久しぶりに抱く恋人の体は、即物的な気持ちよさよりも、欠けていた心のほうが満たされる心地良さだった。
離れているあいだ、悶々と悩んでいた思いが溶かされ流れ出ていったように、抱いていた不安など最初からなかったものだと感じられる。

「…触っ、て……っ」

限界が近いのだろう。先端から溢れた先走りで濡れそぼった屹立に、乞われるままに指を絡めた。律動に合わせ扱いてやると、細い腰をうごめかせ悶える。襞が絡みつきキュウキュウと締めつけられ、俺の我慢もそろそろ白旗を上げそうだ。屹立を扱く手を追い上げに早め、狙いすまして最奥を穿つ。
抱えた足がビクリと震え、白い飛沫が手の中で爆ぜた。手に熱を感じ最後に一度深く突き上げると、膨れ上がった想いを吐き出すよう、佐野のなかに自らを解放した。


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