今年最後の日、大晦日に二人合わせて休みを取った。
多少の裏工作をしたものの、こうしてゆっくりと今日を迎えられてよかったと思う。
ソファーに並んで座り、大晦日の特番を見ている。正直テレビ番組は何でもいい。大晦日に彼と一緒に過ごすこのまったりとした空間がたまらなく幸せなのだ。
ふと時刻を確認すれば、十一時が過ぎている。そろそろ年越し蕎麦の準備をしなければ食べながら年を越せなくなってしまう。

「よし、蕎麦作る」
「そうですね」
「トッピング何がいい?ネギとナルトと油揚げとかき揚げとチャーシューと……」

途中まで言ったところで、彼からストップがかけられる。

「え?」
「蕎麦にチャーシューですか?」
「うん、美味しいかなって実験しようと思って」
「実験って……もっと他に言い方があるでしょう」

呆れた様に言葉を漏らす彼だが、どこか楽しそうでもある。
きっと私が何かしでかすであろうことを予想していたのだろう。

「買い物に行った時に、何やら買い込んでいたのは蕎麦のトッピングのためだったんですね」
「えへへ、種類があった方が楽しいでしょ」

その後、彼と蕎麦を作って美味しく食べている。
食べている途中で、テレビでは次の年までのカウントダウンが始まり日付が変わった。
一旦食べるのをやめて、彼へと向き直る。

「あけましておめでとう、ナナミン。今年もよろしくね」
「あけましておめでとうございます、名前。こちらこそ今年もよろしくお願いします」

彼と一緒に年を越せて、新年を一緒に迎えられて私はとても幸せだ。
今年も良い一年になるだろう。
ちなみに、二人揃って大晦日に休みは取れたが流石に元旦まで休みを取ることは難しく、元旦は二人揃って任務である。


2019/12/31

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