出かける準備をしていたら彼女がマフラーを片手に駆け寄って来た。
今日は、クリスマスにお互い任務で二人で過ごせなかったため遅くなったがクリスマスをするための休みだ。私一人だけならクリスマスをしなくとも気にはしないが、イベントごとが好きな彼女は外せないらしい。そんなわけもあり休みを合わせたのだ。

「ねえナナミンがしてるオシャレな巻き方教えて」
「オシャレな巻き方?」
「いつもしてるやつ」

特に意識をして巻いていたつもりはないのだが、彼女にはそれがオシャレに見えたらしい。
自分のマフラーを首に巻きながら、ゆっくりと巻き方を実演してみせるがどうにも彼女は上手く出来ないようだ。
もう一度、と巻き方を教えるが何故か彼女がすると想定したものにはならない。
見かねて彼女のマフラーを手に取り、彼女の言うオシャレな巻き方をすれば嬉しそうな笑みを浮かべた。

「えへへ、ありがとうナナミン」
「どういたしまして」
「これからもこの巻き方してね」
「構いませんが……アナタ覚える気ないでしょう?」
「う……だ、だって出来ないんだもん……」

拗ねたように言う彼女に、仕方がないと思ってしまう私はやはり彼女に甘い。
きっと出かけた先で、遅くなったクリスマスのためのケーキを彼女にねだられて予定よりも多く買ってしまうのだろうな、と思った。


2021/12/27

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